基礎知識

動物にも利き手があるって本当?ペットの利き手の見分け方

人間には、右利き、左利きがいますが、ワンちゃんやネコちゃんなどの動物にも実は利き手があるのです。

人の場合は、ほぼ90%の人が右利きであり、左利きの割合は10%程度と言われていますが、ワンちゃんやネコちゃんの場合には右利きと左利きの割合は半々であるといわれています。その他の動物についても利き手がある動物はいるため、「それらについて知りたい!」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

飼い主さんとペットが生活していく上で、利き手を必ずしも知っておく必要はありませんが、ご自身のワンちゃんやネコちゃんの利き手を知りたいという気持ちになってはきませんか?

今回は、動物界の右利き、左利きの割合や、ご自身のペットの利き手がどちらなのかを見分ける方法についてお伝えさせていただきます。

利き手があることが明らかになっている動物

ワンちゃんやネコちゃんなどにも利き手が存在しますが、その他の動物にも利き手が存在します。

人間に近い動物ですと、ゴリラやオランウータンやチンパンジーなどの類人猿にも利き手が存在します。ゴリラやチンパンジーは右利きが多い傾向、オランウータンは左利きが多いといわれています。

カエルは、右側よりも左側の方に反応することが多く、外敵などが現れた際に左側からの場合のほうが激しい逃避反応を示すことが多いことから、左利きなのではないかと考えられているようです。

また、利き手ではありませんが、魚にも口が右向き、左向きの個体が存在するため、右利き左利きが存在すると言っても良いでしょう。

動物の利き手はどのように決まっているの?

人間でも動物でも利き手がどのように決まっているのかということははっきりとは明らかになっていません。

遺伝により、右手、左手のどちらかが利き腕になるかをきめているという説や、性ホルモンの影響によって利き手が決まるという説、利き手が決まる年齢までに多く使った手が利き手になるという説もあります。

人間以外の動物の場合には、オスやメスの動物によって利き手が大きく分かれていることもありますが、どのように利き手が決まっているのかというメカニズムについてはまだ研究途中なのです。

なぜ人間だけ右利きの割合が多くなっているの?

人類が生まれた時の原人類のときには、右利きと左利きの割合が半々であったと言われています。つまり、進化の過程で右利きが多くなっていったという説が考えられているのです。

人間の脳は、他の生物と比較しても脳が大きく、そして右脳と左脳で働きが異なります。その中でも左脳の機能は人類の進化の過程では大きな役割を持っているのです。左脳は言語機能が集中しているので言葉を話すようになった人類は左脳を刺激され、右半身の運動機能を司る左脳が優位になるため、右利きの方が多くなったのではないかと言われています。

人間では珍しい左利きの多い動物を教えて!

人間の場合、ほとんどの人が右利きですが、ワンちゃんやネコちゃんの利き手は右利き、左利きが半々になっているため、左利きの割合は人間と比べると多くなっています。

人間社会では、右利きの人が大半ですので、右利きの人が有利なように様々なものがデザインされていることが多く、左利きの人でも右利きに矯正してしまうことも右利きの割合が多くなっている原因でもありますが、ワンちゃんやネコちゃんなどの動物の場合には、右利きに有利なものなどがないため、右利きと左利きの割合が半々になっているのではないかと考えられます。

白熊などはほとんどが左利きといわれており、現地のハンターなどの間では「白熊を狙うときは初めに左手を撃て」といわれています。同じく、クマもはちみつをすくう時の手はほとんどが左と言われているようです。

カンガルーやワラビーなどの後ろ足で直立するカンガルー目の動物も左利きのほうが多いといわれています。後ろ足で直立しないカンガルー目の動物はこの通りではありません。

なぜ、これらの動物に左利きが多いのかという点については明らかになってはいませんが、臓器の左右の位置などを決定する遺伝子が、利き手を決定する際にも影響しているのではないかという研究が現在でも行われているので、そのうち明らかになる日が来るかもしれませんね。

犬や猫の利き手を見分けるという際にはどのような点を見れば良い?

ワンちゃんやネコちゃんは利き手の割合が半々となっており、オスなのかメスなのかという点で利き腕が大きく分かれていることが多いようです。

ワンちゃんやネコちゃんの利き手を見る際には、左右どちらの手(前足)を何かをする時に最初に出す方を見ることにより判断します。

簡単な作業ですと、ワンちゃんやネコちゃんはどちらの手も使うことがあります。これは人間に置き換えると、ドアを開けるなどの簡単な作業はどちらの手でもできるというものと同じようなものですので、利き手を調べる際には、少しむずかしい作業をさせるようにしてください。

利き手を調べる際にする作業は、瓶につめたおやつを取る際にどちらの手で取るか、頭などについたゴミをどちらの手で取るかというような単純ではない作業をさせることで、ワンちゃんやネコちゃんの利き手をはっきりさせることができるでしょう。

ワンちゃんとネコちゃんの場合には、オスとメスで利き手がはっきりと分かれているということもあり、オスは左利き、メスは右利きという子が多いようです。

人間とは違い、言語をしゃべらないワンちゃんやネコちゃんは、左脳が発達しているから右利きが多いという説は当てはまらず、両親が持っている右利き、左利きの遺伝子が遺伝しているという説や、性染色体が利き手の決定を左右しているという説など様々な可能性が考えられますが、明らかにはなっていません。しかし、オスやメスではっきりと利き手が分かれることもありますので、性別を決定する何かが利き腕を決めているのかもしれませんよね。

犬のしっぽにも注目してみよう!

ワンちゃんやネコちゃんが左右どちらの手を使うのかということに注目してきましたが、ワンちゃんの場合にはしっぽを左右どちらに振るのかという点も飼い主さんが理解しておくと役にたつこ
とかもしれません。

しっぽを振る際に右方向にワンちゃんがしっぽを振っている場合はリラックスしており、「嬉しい」という感情が溢れ出ていると考えても良いでしょう。飼い主さんや、信頼している家族に対しては右振りをするということが多いようです。

左方向にワンちゃんがしっぽを振っている場合は緊張状態でストレスや不安を感じていると考えられています。この左方向にしっぽを振るのは、見知らぬ人や知らない動物などにワンちゃんが遭遇してしまった時などに見られることが多いようです。

利き手を観察することでいろいろなことがわかるかもしれません。

利き手を司る脳が、ワンちゃんやネコちゃんなどの動物の場合はどのように機能しているのかということは未だ完全には解明されていませんが、それらについて明らかになる日も遠くはないでしょう。

ワンちゃんやネコちゃん、その他の動物も利き手が存在し、それらについて研究するということは人間のまだ明らかになっていないメカニズムを解明する手助けになるかもしれませんし、もしかしたら利き手を決定する脳の仕組みが明らかになり、ワンちゃんやネコちゃんの気持ちをより一層理解できるようになるかもしれませんよね。

ワンちゃんやネコちゃんの様々なことを飼い主さんが理解しておくということは信頼関係をさらに深める手助けになるかもしれませんし、いろいろな発見があるかもしれませんよ。
そんなワンちゃんやネコちゃんとの生活の中で、今回お伝えした利き手の情報が飼い主さんの役にたつ情報になってくれることを願っております。

ネコちゃんとワンちゃんとの生活をもっと楽しめるように、いろいろなことに注意して観察してあげてくださいね。

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