ペットとの生活

ペットを飼う前に知っておきたいトラブル例

お家にペットがいると考えるだけで、感じたことのない、満たされた気持ちになりますね。何をして遊ぼうか、どんな育てかたをしようかと想像するのは本当に楽しいですよね。

中には、ちゃんと育てられるかな、と不安な思いを感じている方もいるかもしれません。道具をそろえることももちろん大切ですが、しっかりとした知識と環境、そして飼い主としての心構えが必要となります。飼い始めた後に、こんなはずじゃなかった、という事態にならないよう、トラブルへと発展しがちなケースをあげてみました。

いま一度ご自身の生活スタイルとすり合わせて、迎え入れる環境作りにお役立てください。

1:家具や衣類などの破損や汚れのトラブル

室内でペットを飼う場合、まず確認しておかなければならないのはペットが暮らす環境です。

ケージの中だけで飼うのならまだしも、ワンちゃんやネコちゃんのように室内で自由に過ごす場合は、お家に迎える前にお部屋の中を整えておく必要があります。

壁紙や家具はその質感によって爪をとぐのに使われやすく、すぐにぼろぼろになってしまいますので、そうならないように市販の保護シートなどを使用したり、フローリングや畳の傷を防止する対策としてマットなどを敷くのも一つの方法です。

また、机や棚の上に登ったりもしますので、倒れて危険な物や壊れやすい物はしまっておきます。他にも誤飲といったトラブルを防ぐため、細かな物を出さないように注意が必要です。

意外に気付きにくい部分では、カバンや靴などの保管場所も問題となります。飼い主さんが帰宅した後、リビングに置きっぱなしにしていたカバンの中に入ったりすることもあります。チャックに噛みつき壊してしまったり、革などの繊細な素材であれば爪跡がくっきりと残りますので、常にペットの届かない場所へしまう必要が出てきます。

他にもペットの寝床やトイレの環境も、行動範囲に適しているか確認をしてみましょう。

寝床に関しては直接日光が当たったり、寒すぎたりしないか。人の出入りが激しくなく、落ち着ける場所なのかをペットの目線で選び、ストレスにならないようにします。寝床やトイレ、食事の場所は最初に決めておき、あまり変更のないようにしてあげたいですね。

部屋で飼う場合「ペットのにおいが気になる」という飼い主さんもいらっしゃいますが、消臭スプレーなどを利用して抑えるようにしても、少なからず残るものです。ペットの毛も同様で、毎日掃除機をかけていても衣類に付着してしまいます。どうしても気になる場合は、ペットが入らない部屋を作るなど、あらかじめペットの生活範囲を決めておくと多少は軽減されるようです。

2:しつけのトラブル

ペットを迎え入れる上で、しつけが不可欠なことはどの飼い主さんもご存じだと思います。

ペットの種類によってはその本能から、市販のトイレを設置するだけで覚えてくれるペットもいますが、それぞれ個性もありますから全員がそういうわけにはいきません。そうなると飼い主さんの方でも、あらかじめトイレのしつけ方を学んでおく必要が出てきます。

ペット比率で大半をしめるワンちゃんやネコちゃんの場合は、トイレの場所を覚えてもらうことは、お家に招いた最初の日に行うしつけといわれています。部屋のいたる所に排泄をしてしまう習慣がつくと飼い主さんの世話が大変ですし、何より修正に時間がかかります。取れにくい汚れやにおいのもとになったりと、二次的なトラブルも招きかねません。逆に一度覚えてしまえば飼い主さんの世話もスムーズになりますから、きちんと押さえておきたいですね。

覚えるまでは壁や布団の上などで排泄してしまうこともありますが、その際の注意の仕方も大切です。何が問題なのか、どうすれば覚えてもらいやすいのかと、先に情報やご自宅の環境をチェックしておく必要があります。多くの場合は人間の方が体も大きく、環境の変化に慣れるまではペットも不安を抱えているでしょう。

そこで間違った注意の仕方からペットの心の傷になり、飼い主さんを怖がって噛みつくなどの問題にもなりかねません。大切なペットとどういったコミュニケーションをしていきたいのか。ペットを飼う前に行う情報整理は、ペットと飼い主さんの信頼関係を築いていくうえで一本の支えになっていきます。

またワンちゃんに関してはある程度の複雑な指示ならば守る知能があるため、その後のしつけは飼い主さんによって多岐にわたります。年齢にもよりますが、「まて」「すわれ」「おいで」といった様々なしつけを守るようになると、お家の中だけでなくお散歩の際などでも飼い主さんの助けになります。指示通りに動くというより、飼い主さんがリーダーであるということが伝わっていることが大切ですね。

元気にはしゃぐペットを見て可愛いがることはもちろん必要ですが、甘やかし過ぎてしまうとワンちゃんは自分の好き勝手に行動していいのだと学び、飼い主さんを困らせることになりかねません。

主従関係といった部分ではトラブルになりがちなので、一貫したしつけができるよう学んでおきたい部分です。そうすることで飼い主さんにも余裕がうまれ、たとえ失敗が続いたとしてもおおらかに接することにつながります。ワンちゃんは特に飼い主さんの心の動きを敏感にとらえ、飼い主が不安そうにしていると、ワンちゃんも影響されると言われています。

大切なことはお互いが安心して楽しく暮らせることです。飼い主さんが一生懸命になり過ぎてワンちゃんにストレスが加わり、噛み癖や吠え癖がつくなどのトラブルを招かないようにしたいですね。

一度覚えたしつけは亡くなるまで守ってくれることが多いものです。飼い始めに必要なことは何か。ペットを飼う前に、是非ご自身の生活にあった情報を整理してみてくださいね。

3:鳴き声といった音のトラブル

ペットの生活環境を整えていても、いざペットを飼い始めると様々なことに気付かされます。そのひとつとして頻繁に取り上げられるのは、鳴き声や吠え声、走り回るなどの音の問題です。どれだけ知識をつけていても飼う前にはなかなかイメージが付きにくいため、飼い始めた後に飼い主さんが悩んでしまうケースがたびたびあります。

ペットの種類によって異なりますが、ワンちゃんやネコちゃんの場合は特にこのトラブルはついて回ります。夜中や朝方、飼い主が寝ている傍で自宅内を走り回ったり、夜鳴きが止まないという場合もあります。飼い主さんの安眠妨害になれば生活の負担となるでしょう。玄関や窓に人や車が通るたびに吠える、というワンちゃんもいますので、「こんなにうるさいとは思わなかった」と飼い主さんのストレスにならないよう、対策を考えておきたいです。

もし近くにワンちゃんやネコちゃんを飼っている方がいらっしゃれば、話を聞かせてもらったり、会わせてもらうとイメージがしやすくなります。ワンちゃんの吠え声は一回、二回では済まず立て続けに生じる場合もあるので、不快に思い始めると飼い主さんの悩みにもなりますし、近隣の方へのトラブルも心配です。

ワンちゃんやネコちゃんにとって、吠えたり鳴いたりということは人間が笑うことと同じ。ごく自然なことですよね。不安だったり、何かを訴えてそうしている場合がほとんどです。
私達もそこを理解して、どういった原因でなりやすいのかを探り、できる限りお互いが快適に過ごせるようにしたいですね。

4:動物アレルギーなどのトラブル

飼い始めるまでは気付かなかった、というトラブルのひとつに、アレルギーの問題があります。代表的な問題としては「動物アレルギーをもっていることに初めて気がついた」というケースです。このようなアレルギーは動物といるとくしゃみや鼻水が止まらない、涙が出る、目が赤くなり痒くなるといった症状が出ます。他にも喘息が出た、肌に湿疹が出た、という例もあります。

今まで動物と触れあった際に、身体に異変を感じたことはありませんか? 

体質的なものは治そうと思ってもすぐには難しい部分があります。家族と同居している場合は、家族全員に支障が出ないか確かめる必要があります。また野良猫や野良犬などの場合はその身体に花粉や他の雑菌などが付着していて、そのためにくしゃみなどの反応をしてしまう場合があります。アレルギー反応が出てしまっても、ペットの身体をきれいにしていれば大丈夫という飼い主さんもいらっしゃるようです。

アレルギーの反応は病院で血液検査などから調べることができます。動物以外にも、ダニやブタクサなどの花粉、小麦なども一緒に調べる方法が基本のようです。
せっかくペットがお家に来てくれたのに、自分の体質のせいで飼うことができない、などとお互い悲しい結果にならないよう、注意しておきたい項目ですね。

5:生活スタイルのトラブル

ペットを飼い始める前に、飼い主さんのご自宅の状況や生活スタイルについてもある程度の見通しが必要になってきます。ペットを飼おうとしている方は、現在のお家でペットを迎えることができると判断し、「家族の大切なメンバーとして迎えたい」と決断されたことでしょう。

では、お仕事の都合や今後の転居についてはいかがでしょうか。現在の状況が、あと何年続くのか、予測しておくことも大切な作業です。

現在のお家でペットを飼うことに問題がなかったとしても、飼い主さんの生活スタイルがどのように変化するのかによって、迎え入れたペットにも少なからず影響が出てきますよね。転職や転勤になったり、ご結婚されて家族が増えても支障が出ないか、いま一度思い描いて頂きたいポイントです。

また万が一、ご自身がご病気になるなどやむを得ない事情で離れ離れになった時、代わりに世話をしてくれる人を見つけておくのも大切なことです。ペットシッターなども普及していますが、手伝ってくれる方がもし身近にいればいざという時、ペット自身も安心して暮らすことができます。

日頃から飼い主以外の方と、何らかの関わりをもてるといいですね。ペットが体調を崩した際も、飼い主さんが「仕事でそばにいられない」という時に、代理で手伝ってくれる方がいるのは心強いものです。一人暮らしの方は特に、大切な存在となるのではないでしょうか。

その他にも、ご自身がきちんとお世話をできる時間、体力があるのかという点も考えておきたい部分です。ペットフードの質がよくなったことや、医学の向上も手伝って、ペットの寿命は嬉しいことに延びてきています。
長い時間を共にするわけですから、飼い始めるタイミングは今でいいのか、もう少し待った方がいいのかも視野にいれ、トラブルのない素敵な生活にしていきたいですね。

6:金銭面のトラブル

ペットを飼う上で、そのお世話にどれくらいの金額が必要なのかを割り出すことも大切な作業です。初期費用としてかかる寝床やケージ、トイレなどの設備費用の他に、ペットフードなどで月々にいくらくらいかかるのかを最初に把握しておくことは、とても大切なことです。

食事や排せつシートだけでなく、急遽ペットを預けなければならなくなった場合の宿泊費用や、怪我や病気を患った場合の医療費も視野にいれておかなければなりません。

ワクチンの接種をすればその分の料金が発生します。ワンちゃんの場合は狂犬病の予防注射・フィラリアの薬・その他のワクチン接種のために動物病院へ行く機会が増えるものです。怪我や病気の治療費は飼い主さんが支払いますので、「払えなくなってしまった」とならないように余裕をもった準備が必要になります。

他にも賃貸物件では、「ペット可」という契約のもと入居したにもかかわらず、ペットの騒音から近隣の苦情が相次ぎ引っ越しをしなければならなくなったトラブルもあるようです。引っ越し代は飼い主さんが出すこととなり、多額の出費となりえます。引っ越しをする際はそのようなトラブルにならないよう、物件の下調べや契約会社との話し合いが大切といえますね。

7:ペットの病気のトラブル

飼いたいペットの種類が決まったら、どこで出会うのかを決める段階になりますね。捨てられたワンちゃんやネコちゃんを拾ったり、友人から譲ってもらった場合は別ですが、ペットショップなどの販売業者を探す場合は、その業者が信頼できるのかも大切なポイントです。

ペットがもっとも病気になりやすいのは、私たち人と同じで子供の頃と老いた時です。現在はネット販売も便利になりましたが、「安いから」という理由でペットを迎えた場合、必要なワクチンを接種しておらず、何らかの感染症にかかっている場合があります。

飼い始めの嬉しさで忘れてしまいがちですが、購入後すぐに体調を崩してしまうケースは意外と多いようです。またその責任が、販売業者と飼い主さんのどちらかにあるのかは立証が難しいといわれています。

種類にもよりますが、感染症などの潜伏期間はおよそ14日と言われているため、健康状態はトラブルになりやすいものです。ワクチンだけでなく、先天性の病気についても同じことがいわれていますが、素人では分からない部分が重なってくると販売業者の説明を頼りにすることになります。購入する際はそのようなトラブルを防ぐためにも、契約内容や補償についてきちんと説明を受け、納得をすることが大切ですね。

お家に迎えて数日は急な環境の変化もあり、免疫力の低下から体調をくずしやすくなりますから、その点も十分な注意が必要です。

また万が一最善を尽くしていたとしても、販売業者で購入したペットが数日で体調を悪化させた場合、医療費の問題が出てきます。病気の種類によっては数十万円の治療費が必要となるかもしれません。

そのペットと幸せな毎日を送るためにも、信頼できる販売業者かどうか、友人や知人に紹介してもらったり、複数のペットショップに足を運んだりすることをおすすめします。

また、飼い主さんは飼い方などを学ぶ一方で、そのペットがかかりやすい病気や不調についても前もって知識や情報を入手しておきましょう。

毎日行う健康チェックが身につくことで、防ぎやすくなる病気は多いようです。飼い始めの健康チェックは飼い主さんも不慣れかもしれませんが、ペットも一緒です。まだ子供のうちから、耳、目、口の中、陰部などのケアにできる限り慣れておけば、お互いの負担も軽減されるでしょう。

予防に加え、患った場合もペットの異変に気付きやすくなります。そういったペットの身体を把握する習慣は、ペットが老いた時も役にたちやすいものです。ワンちゃんでいえば、歯周病などは犬種にかかわらず表れやすい病気のひとつといわれています。歯が痛い時の食事はつらいもので、急激に食欲が減ることからワンちゃんの免疫力の低下を招き、更なる体調不良へとつながりやすくなります。抗生物質の投与や、歯肉炎の治療をほどこし、ひどい場合は抜歯となるようです。

こちらはひとつの例ですが、普段の口腔ケアから様々なトラブルを回避することに繋がります。定期的な健診も合わせ、できる限り防いであげたいものですね。

他にも防ぎたい病気のトラブルとしては、人間用のお菓子や玉ねぎなどペットに与えてはならない食材をあやまって食べてしまったケースです。

「玉ねぎなんて食べないだろう」と思っていても、ハンバーガーやサラダとして一部入っていたものをペットが気付かずに口に含んでしまうこともあるようです。ほかにもチョコレートなどを知らない間に食べてしまって、嘔吐や下痢などの症状を引き起こす場合があります。ペットの種類によっては命にかかわりますから、すぐに動物病院で手当てが必要です。食糞なども寄生虫や雑菌などから病気を発症する可能性は十分考えられます。

また、おなじようなトラブルに誤飲もあります。小さなおもちゃで遊んでいたワンちゃんが、誤って飲み込み食道に詰まらせ、呼吸困難になるケースもあります。そうなれば、ワンちゃんが自力で吐き出すことはできないため、全身麻酔をした後、口から取り出すなどの処置をします。胃の中にまで入っていた場合は、内視鏡を使ったりや胃を切開するなどして取り出すようです。どちらにしても、動物病院での処置になります。

以上のように、ペットを飼い始めた際に生じやすい代表的なトラブルをあげてみましたが、実際はどれだけ準備をしていても、至らない点が出てくると言われています。

特にペットがまだ小さい時や、老後に差し掛かっている場合は手もかかりやすいものですし、飼い主さんが初めてペットを育てる場合、とまどうことも多々あるでしょう。

そうなった時にもなるべく困らないように、相談できる先輩の飼い主さんや、コミュニティなどで情報交換ができる状況を作っておくことも安心につながります。ペットと信頼できる関係を少しずつ築き、お互いに必要とし合える生活は、ペットにとっても飼い主さんにとっても理想とする楽しい毎日になるでしょう。

ペットを思う気持ちと最適な環境作りは、一貫することが難しい部分もあります。

天気や季節に関係なく、毎日一緒にお散歩に出かけるのが大変な時もあるでしょう。忙しくなった時や自分の体調が悪い時はなおさらです。

それでも、初めて自分のお家にペットを迎えた日のことは、なかなか忘れられるものではありません。

「この子が、元気で長生きしますように」

「一緒に楽しく暮らせますように」

そんな気持ちで迎えたのではないでしょうか。この家に来てよかったと思ってもらえるように、ペットを飼う前のトラブル対策を是非ご活用くださいね。

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