飼育・育て方

ハムスターの種類や寿命と飼い方

つぶらな瞳に、マシュマロに似たやわらかな身体。

小さなケージの中でも飼育できる代表的な小動物に、ハムスターを思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。ハムスターは飼いやすいペットとして上位にあげられ、今も多くの方に親しまれています。

ゴールデンハムスターやジャンガリアンハムスターなどの種類が、ペットショップなどの販売店で多く取り扱われていますが、同じハムスターでもその毛色は種類によって実に様々。ゴールデンハムスターに関しては色だけでなく、短毛種と長毛種に分かれています。

こちらのページではハムスターの育て方について、いくつかポイントをまとめてみました。「飼ってみたいな」という方は、どんな準備が必要なのかなど、情報収集にお役立てくださいね。

1:ハムスターの種類について

一般的にペットショップなどの販売店で多く取り扱われているハムスターには、以下の種類があります。

●ゴールデンハムスター
数百円から2,000円前後の値段が付けられ、もっともポピュラーなハムスターの種類といわれています。イスラエルやシリアを故郷にもち、シリアンハムスターと呼ばれることもあるようです。体長は14cm~15cm前後で、研究用として捕獲されていたゴールデンハムスターが、ペットとして愛されるようになった最初のハムスターといわれています。

ペットショップによって名前が異なりますが、毛色や毛の長さによって以下のような名前が付けられています。

(短毛種)
・ワイルドカラー:野生に近い毛色のハムスターで、背中が茶色、おなかは白です。
・オレンジ:ワイルドカラーに比べ、毛色がやや明るいオレンジ色。おなかは白です。
・ノーマル:背中に茶色と白色のブチやシマのような模様が特徴です。
・キンクマ:黄色がかった茶色い身体に、耳だけが黒いのが特徴です。
・キンクマクリーム:生成り色の身体に、耳だけが黒いのが特徴です。
・ブラック:手足と鼻は薄い桃色ですが、それ以外は黒い色をしています。
・ホワイト:手足と鼻は薄い桃色、耳は黒く、それ以外は白い色をしています。
・シルバー:白とグレーの毛色をまばらにもっています。
・ドミナント・スポット:目のまわりからお面のような模様のある種類です。
・ドミノ・ノーマルカラー:目のまわりからお面のような模様があり、全体的に白です。
・ブラックバンド:顔やおしりは黒く、おなか周りは帯を巻いたような白をしています。
・トリコロール・ブラウン:白と茶色の毛色をまばらにもっています。
・トリコトール・ノーマル:白や黒、茶色などの毛色をまばらにもっています。

(長毛種)
・アプリコット:全体的に明るいオレンジ色をしています。
・ブラウン:全体的に深い茶色をしています。
・ホワイト:全体的に白い色をしています。
・ダークブラウンバンド:顔やおしりは茶系ですが、おなかは帯をまいたような白です。
・ダフ:うすい茶系や灰色、白い毛色をまばらにもっています。
・ドミナント・スポット:目のまわりからお面のような模様のある種類です。
・ドミノ:目のまわりに濃いお面のような模様がありますが、身体はおおむね白です。
・ドミノ・アプリコット:目のまわりにオレンジのお面のような模様があり、身体は白です。

●ジャンガリアンハムスター
数百円から2,000円前後の値段が付けられています。別名ヒメキヌゲネズミとも呼ばれるといわれ、体長8cmから9cm前後の小型のハムスターとして人気があります。比較的おだやかな性格ですが、中には気の強い性格のハムスターもいますので、複数で飼育する場合は相性を見極める必要がありますね。ゴールデンハムスターと同じく、毛色や模様の違いがあります。

・ノーマル:野生に近い毛色をしており、背中はグレー、おなかは白い色をしています。
・ブルーサファイア:おなかは白く、背中はうすいグレーや茶色をしています。
・ブルーサファイア・ルビーアイ:ブルーサファイアの毛色に、目のふちが赤色です。
・クリームサファイア:おなかは白く、背中はうすいクリーム色をしています。
・パールホワイト:全体的に白く、時折うすいグレーが混じっています。
・パイド:おなかは白く、背中にぶち模様をもっています。
・スノーホワイト:耳や手足はうすいピンクで、身体は白い色をしています。
・ホワイトプディング:全体的に白く、背中にオレンジのような模様をもちます。
・アルビノ:白い身体に、赤い瞳が特徴です。
・イエローアルビノ:身体がオレンジに近い黄色をしており、赤い瞳が特徴です。

●ロボロフスキーハムスター
2,000円から10,000円前後の値段が付けられています。ハムスターの中では最も小さい種類といわれ、7cm前後の身体をしているようです。他の種類に比べ、繁殖しにくい場合があることや、全体的に臆病な性格をしているところがあるといわれています。すばやいので、掃除をする際などは逃げられないように十分注意が必要ですね。主な毛色は以下の4種類といわれています。

・ワイルドカラー:野生に近い毛色で、背中はうすい茶色、おなかは白い色をしています。
・ホワイト:全体的に白い色をしています。
・ホワイトフェイス:頭からおしりにかけてグレーや茶色の毛色を持ち、顔は白い色です。
・パイド:2010年に日本で初登場したといわれる、白地に茶色のブチ模様をしています。

●キャンベルハムスター
2,000円から4,000円前後の値段がつけられています。ジャンガリアンハムスターと似ていますが、気の強さが特徴の1つにあげられます。ペットショップなどの販売店によって異なりますが、取り扱いもそれほど多くはないといわれています。

・ワイルドカラー:野生に近く、顔からおしりまで茶色と黒の毛色、おなかは白です。
・パイド・ルビーアイ:白地にうすい茶色の模様をもち、赤い瞳が特徴です。
・ホワイトファー・ブラックアイ:全体的に白い毛色をもち、黒い瞳が特徴です。

●チャイニーズハムスター
1,000円から4,000円前後の値段が付けられています。モンゴルキヌゲネズミと呼ばれることもあり、体長は10cm前後。他のハムスターと比べてもほっそりした身体と、やや長いしっぽが特徴です。性格はおとなしく飼いやすいといわれますが、まれな種類といわれています。木登りも得意なので、脱走には十分に注意が必要です。

・ワイルドカラー:野生に近い毛色で、背中はグレー、おなかは白い色をしています。
・ホワイト:全体的に白い色をしています。黒い瞳です。
・シルバーパイド:うすいグレーの背中に、おなかは白い色をしています。

どのハムスターも寿命は2年から3年前後といわれています。短命の為、少しでも長く育てられるように赤ちゃんの頃から飼育することをおすすめします。店頭に並ぶ時期はペットショップなどの販売店によって異なるようです。きちんとした対応を見る為にも、いくつかお店を回ったりして確認することも大切ですね。

2:野生のハムスターの生活について

野生のハムスターは土の中に巣を掘って生活しています。その深さは約1mから長い場合は3mにも及び、小さな身体で迷路のように複雑な巣を掘り上げ、外敵から身を守っています。巣穴には複数の出入り口を設けていて、外敵であるヘビなどが巣の中に入ってきても、別の出入り口から外へ逃げ出せるように工夫がなされているといわれています。

他にも巣の中にはトイレや寝床、エサの貯蔵庫などがあり、外で見つけたエサをほお袋にいれて持ち帰る習性があります。ハムスターは夜行性のため昼間は巣穴で眠り、外敵に見つかりづらい夜間を中心に活動していますが、そのほとんどはエサの収集に当てているようです。ゴールデンハムスターでは、時にはその距離も10キロ近くになるといわれています。

ハムスターは丸い身体で、いつも何かを食べているイメージをもつ方も多いと思いますが、野生のハムスターは粗食で植物の根っこなども口にするといわれています。主な食餌は植物や種子、また小さな昆虫などを食べるようです。

つぶらな瞳をもつハムスターですが、実は目がいいとはいえないようです。視覚よりも嗅覚を使って、エサや敵の存在、仲間などを嗅ぎ分けているといわれています。その鋭い嗅覚があるので暗い巣の中でも生活ができ、外敵のにおいもいち早く感知して危険を回避することができるのです。嗅覚と同じように聴覚も鋭く、人間には聞こえないような小さな音まで感じたりするといわれています。

またハムスターの身体には臭腺があり、それぞれ違うにおいを出して縄張りを主張しています。繁殖の時期を除いて基本的に一匹で生活をしていますが、仲間と出会った際は縄張り意識の強さから激しい争いにまで発展することがあるようです。

ゴールデンハムスターには横腹に、ジャンガリアンハムスターにはおなかにその臭腺があり、巣の中で仲間に出会うとお互いのおしりのにおいや臭腺で確認し合います。

野生のハムスターの寿命も、飼育かのハムスターと同じで2年前後と短い命です。そのためたくさんの子供を産み、メスは常に育てているといわれています。

オスはどの種類のハムスターも子育てには参加しないといわれていますが、ジャンガリアンハムスターやロボロフスキーハムスターのオスは巣の中で、メスや子供達と一緒に生活をしているようです。

一部ではありますが、このような野生での暮らしを知っておくことは、どのペットを飼育する上でも大切なことだといわれています。ハムスターに関しては、思ったよりも気が強いことや、動きが素早いこと、種類によっては上手に可愛がっていると飼い主さんの手に自らのってくるなど、飼い始めた後に驚く飼い主さんも多いようです。ペットの行動が不可解であっても、野生生活を学ぶことで新たな気付きがあったり、より接しやすくなることもあります。このような情報もヒントにしながら、ハムスターも飼い主さんにとっても快適な環境を作っていきたいですね。

3:必要なものと初期費用について

ハムスターの飼育にはまず水槽やケージが必要となるのですが、どのような大きさや形を選ぶのかが大変重要だといわれています。ゴールデンハムスターにはケージ、ジャンガリアンハムスターやロボロフスキーハムスターなどの小型の種類には水槽での飼育も可能といわれていますが、それぞれメリットやデメリットがあり、個体数によっても状況が異なるため定かではありません。

ケージの場合は、金網部分で怪我をする例が多くみられます。水槽の場合、ハムスターは湿気に弱い為、通気性が心配といわれます。

どちらも小さなものであれば3,000円前後で売られていますが、この値段で飼える程度のものはせまいという飼い主さんも多いようです。その為、値段は8,000円から10,000円前後と上がりますが、同じ水槽でも爬虫類用の水槽の方が広さもあり、側面に扉があるタイプは飼育や温度管理がしやすいといわれています。

現在ではペットショップや通販などの販売店で、ハムスターの飼育グッズは種類も豊富になりました。ケージ内にエサ箱や回し車、巣箱などが付いていますから、ペットを飼うことが初めての飼い主さんも環境を作りやすくなっているようです。ですが購入前に出入り口の大きさや場所、なにより大きさなどが適当かを見極める必要がありそうですね。安心できない環境はハムスターもストレスがたまります。日中の部屋の光加減や室温、昼間でも静かな環境を保つことで、ハムスターが安心して暮らせることにつながります。

ストレスがたまるとあちこちに排泄をしたり、鳴き声を発したりします。ケージで飼育している場合はケージの檻をかじり続け、ひどい時には歯が折れることもあります。

環境を整えてあげることで問題行動がなくなることもあり、その原因のひとつには水槽やケージの大きさや形が適切でない原因も含まれるといわれます。水槽やケージは1度購入すると、壊れない限り使い続ける方が多いので、住む水槽やケージの選び方はとても大切なポイントとなります。

ケージで飼育する際その床面が金網であれば、ハムスターがその隙間に足を引っかけないように外し、床材を敷く方が無難といわれています。床材はハムスターが口にしてもいいように、天然の素材の麻やワラなどがおすすめです。木材チップなども市販されていますが、薬品がついている場合皮膚病やアレルギー反応が出る可能性があります。逆に身体をよく掻いていたハムスターが、床材を変えることで軽減されたという声もあるようです。

トイレに関しては、一度覚えるとその場所で排泄をする習性をもっています。砂状のトイレも市販されていますので、上手に利用し、衛生面でも気を付けたいですね。

巣箱は昼間でも休めるように用意してあげることをおすすめします。

巣箱も色々な形がありますが、ハムスターはげっ歯類といわれ、歯が伸び続ける習性から色々なところをかじります。その為、木でできた巣箱ですとかじってすり減らすことにも役立つようです。屋根が外せるタイプの方が掃除もしやすく、怪我や病気で動物病院に連れて行く際などは、捕まえる時にも役立つといわれています。お値段はデザインによりますが、数百円から3,000円前後など幅があるようです。

エサ箱に関しては、重たい陶器のものをおすすめします。ハムスターがのってもひっくり返らないものを選んであげたいですね。

お水はお皿に入れておくと飲みづらかったり、こぼして身体が濡れたり、湿気がこもりやすくなるなどの原因となる場合があります。市販されている給水器が使いやすいようですが、高さには注意が必要です。上を見上げ過ぎるとハムスターも上手に飲めないので、様子を見て調節する必要がありそうですね。お値段は400円前後から1,500円前後と大きさやデザインなどによって異なるようですが、1匹で飼育する場合は小型の給水器でも十分だといわれています。

回し車は運動不足を防ぐ為にも設置しておきたい飼育用品ですが、足を付く部分に隙間があるとハムスターが走っている際、足を引っ掛け怪我をする可能性があります。安全面を考え、隙間のないタイプがおすすめといえますね。

野生の生活からもいえることですが、ハムスターはせまい所が好きで、トンネルなどの飼育用品がたくさん出回っています。こちらの購入を考える飼い主さんもいらっしゃるかもしれませんが、衛生面を考え、洗いやすいものを第一に考えることが大切です。ハムスターにとっても身を隠せる場所があることは安心にもつながりますが、ケージや水槽内の掃除がしづらいことで、病気を招きやすくなるという声も多いようです。

また横並びのものであればいいのですが、縦に登るタイプはハムスターがうまく登れず落下する可能性があり、おすすめできません。飼い主さんによってはトイレットペーパーの芯などを上手に切ってつなげ、トンネルを作る方もいます。汚れたらすぐに捨てることができるので、衛生的でも飼育が楽になるといえますね。

ケージによって初期費用が異なりますが、安易にセット用品を購入するとトラブルを招く可能性があります。購入の際は広さやセット内容、どこかどのように外れるのか、といった掃除のしやすさなどを十分に見極めて購入することをおすすめします。

4:食餌について

人と同じように、ハムスターの栄養管理は健康面でとても大切になってきます。ハムスター用のペットフードと合わせて、野菜類やひまわりの種やナッツといった種子類、チーズやゆで卵などのたんぱく質を加えるといいようですが、与え過ぎから肥満につながりやすいといわれています。

特にナッツ類やタンパク質などは3日に1度程度でも問題はないようですが、与え過ぎてしまう飼い主さんが多いといわれています。

またネギ類や人間のお菓子は身体を壊す原因になりますので、与えないように注意が必要です。キャベツやレタスなどの野菜は、食物繊維や水分がハムスターの身体に負担がかかり、食べ過ぎると下痢に繋がる可能性があるといわれています。

エサを与える時間帯については、ハムスターは夜行性なので寝起きに新鮮なものが口にできるよう、夕方に与えると良いでしょう。お水もこの時間に新しいものと取り換えた方がいいですね。ゴールデンハムスターなどは、飼い主さんの手からエサを与えるようにすると仲良くなるきっかけにもなります。徐々にならしていき、エサがなくても手の上にのったり、リラックスしてもらえたら嬉しいですね。

5:暖房対策について

お部屋の中が寒いと、ハムスターは疑似冬眠をするといわれています。飼育化での冬眠はハムスターにとって体力も落ち、免疫力も下がることから冬の温度管理はとても大切です。特にケージを使用している飼い主さんは、この時期は水槽などに変えることも防寒に役立つといわれています。

涼しくなる秋頃からは、ワラや干し草などの床材をたっぷりといれてあげることも大切です。室温は20度前後が理想といわれますが、エアコンの風が直接当たる場所は避け、昼夜の温度差ができるだけ一定の場所にケージや水槽を置くことが理想です。ケージや水槽を毛布などで覆うのも防寒対策になりますが、真冬などで寒さが心配な時期はペットヒーターや電気毛布などを併用することもおすすめしています。暑過ぎないようにケージや水槽の半分くらいは当たらない面を作り、コードはかじられると大変危険ですので、触られないようにカバーなどを付けると安心ですね。

また冬の時期は太り過ぎない程度に、脂質の高いものを与えるといいようです。ナッツ類やチーズといったタンパク質などを加え、体力をつけさせてあげたいですね。野菜類が減ってしまうとビタミン不足から病気のもとにもなるので、減らさないようにしましょう。衛生的で運動もしやすく、食事のバランスがとれた環境が理想的ですね。

6:繁殖について

ハムスターは生後2ヶ月半以上で成熟し、繁殖ができるといわれています。ですが実際に子育てすることを考えると、春や秋の方が気温のトラブルも少なくおすすめです。オスとメスの相性も大切ですので、別々で暮らしていたハムスター同士をつがいにする場合はケージや水槽を隣合わせにするなどして、しばらく様子を見る必要があるようです。一緒のケージや水槽に入れた際もケンカをしていないか、飼い主さんの注意が大切ですね。

メスが受け入れ態勢になり無事に交尾が済むと、メスはオスを嫌がるようになるので別々に暮らすようにします。妊娠期間は17日から20日前後で、メスの年齢などによって子供は3匹から12匹と幅があるようです。神経質になる時期ですので、エサの交換やトイレの掃除といった必要なお世話以外は近づかない方が無難です。子供に人間の匂いが付くとメスが育児をしなくなったり、食べてしまう可能性もあるので、子育てはメスにまかせます。

生後2週間前後で巣から這い出てくる場合もあるようですが、生後1ヶ月ほどしましたら親から離し、別の水槽やケージで暮らす時期といわれています。逆にそれ以上長く一緒に暮らしているとさらに繁殖をする可能性があるため、親から離すタイミングはとても大切です。子供の時期は風邪をひきやすいので、温度やエサの量などをしっかり管理する必要もありますね。無事に子供を産まれるまでは飼い主さんも神経質になりがちですが、できるだけおおらかに見守ってあげてくださいね。

いかがでしたでしょうか。飼いやすいといわれる代表的なハムスターですが、ある程度の知識や情報は不可欠です。ハムスターの快適な環境を見直すことにより長生きする可能性も出てきますので、元気な生活を目指し、より良いお世話ができるといいですね。

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