病気・ケガ

犬のヘルニアについて ペット保険では補償される?

ワンちゃんの愛らしい姿に毎日癒されている飼い主さんが一番願うことは、ワンちゃんが健康に病気などもせずに過ごしてくれることでしょう。

しかし、人間と同じように健康に気をつけていたとしても病気やケガになってしまうこともありますよね。そんなときに「ペット保険に入っていたら安心かな」と思ってペット保険に加入することをお考えになっている飼い主さんも多いのではないでしょうか?

ペット保険には、補償の対象外となってしまう疾患もあるため、加入を考える際に不安になってしまうこともあるのではないかと思います。現代では、肥満になりがちなワンちゃんも多いため、尿管結石やヘルニアなどの病気になってしまうこともあり、飼い主さんの心配事の1つになっていることでしょう。

今回は肥満のワンちゃんがなりやすいヘルニアについて、特に椎間板ヘルニアについての症状や予防法、そしてヘルニアになってしまった際の治療法、そして仮にペット保険に加入している場合に補償が適応されるのかという点についてお教えします!

犬のヘルニアってどういう病気なの?

ワンちゃんがなってしまうかもしれないヘルニアですが、「どんな病気なの?」と疑問をお持ちになる飼い主さんもいると思います。特に椎間板ヘルニアという病気は人間でもなってしまうことがあり、馴染みがあるのではと思いますが、「どのような症状がでるのか、予防法などについてはよくわからない。」という方が多数でしょう。

そこで、ここでは椎間板ヘルニアの主な症状や、なぜなってしまうのかということについてはお教えさせていただきます。

 なぜ椎間板ヘルニアになってしまうの?

まず、椎間板とは何なのかという点について説明させていただきます。ワンちゃんの背骨の中には、脳からの指令を伝えるために脊髄が通っています。その脊椎をサポートし、守るために椎間板はあるのです。椎間板は外側の繊維輪と脊椎を覆う内側の髄核の2つから構成されています。

主に椎間板ヘルニアは背骨の間に挟まっている椎間板が潰れ、変形してしまうことで起きる疾患です。全力疾走をする、階段の上り下りをする、体をねじったりすることが負担となり、さらに肥満や加齢などによって、椎間板のクッション質の外側にあたる繊維輪が弱くなってしまうことにより破れてしまうことにより引き起こされます。椎間板は首から腰まで背骨の中にあるため、どの箇所でも発症することがあります。
 
椎間板ヘルニアはハンセン1型とハンセン2型に分けられ、発症する原因なども違います。ハンセン1型は、ダックスフンドやコーギー、ビーグルなどの軟骨異栄養性犬種に発症しやすいタイプの椎間板ヘルニアとなっており、3歳から6歳の比較的若い年齢で、急性に発症してしまいます。繊輪が破けてしまうことにより、髄核が飛び出してしまい脊髄の神経を圧迫してしまうために痛みが生じます。

軟骨異栄養性犬種のワンちゃんは若いうちから椎間板が変性を起こしてしまうため、衝撃を吸収する能力が低下してしまいます。そのため、椎間板に強い力が加わることで椎間板ヘルニアを発症しやすくなってしまうのです。

ハンセン2型は、年齢が上がるごとに椎間板が変性してしまい、厚くなった繊維輪が脊髄を圧迫することにより痛みを生じさせます。ハンセン2型の椎間板ヘルニアは成犬から老犬に多く見られ、慢性的に症状がみられるようになると言われています。

椎間板ヘルニアの重傷度について教えて!

椎間板ヘルニアによって脊髄が圧迫されることにより、ワンちゃんは脊髄に様々な障害が出るようになります。この障害の発生する順番には5つのグレードがあり、そのグレードによって治療方法なども変わってくるのです。

ダックスフンドなど、ハンセン1型の椎間板ヘルニアを発症しやすい、軟骨異栄養性犬種のワンちゃんは特に急激にグレードが上がってしまうこともありますので注意が必要となります。

ここではグレードごとに違う症状などについてご説明させていただきたいと思います。

グレード1
脊椎に痛みが生じます。軽度の脊椎圧迫であるために、脊髄の機能障害などはなく、麻痺などもありません。いつもは散歩などをしたがるワンちゃんでも運動をしたがらずに、背中を丸めていることが多くなります。飼い主さんが抱っこをしたり、背中を触った時に痛がるようになり、鳴いて痛みを訴えたりもします。

グレード2
軽い麻痺が出てきてしまい、運動失調になります。うしろ足の力が弱くなってしまうため、歩く時などにふらつくようになり、うしろ足を引きずりながら歩くので足先のツメがすり減っていることが多くみられます。

グレード3
完全に麻痺が出てしまいます。うしろ足は全く動かなくなってしまい、うしろ足を引きずり、前足の動きだけで歩くようになりってしまいます。

グレード4
排尿麻痺が起こります。膀胱にいつもおしっこが溜まった状態になり、自分の意思で排尿ができなくなります。体を動かしたり、鳴いたり吠えたりする時に漏れ出るようになってしまいます。

グレード5
深部痛覚を消失します。うしろ足の全ての感覚がなくなり、指先をはさむなどの強い刺激を与えても何も感じなくなります。

椎間板ヘルニアの治療はどうやって行うの?

椎間板ヘルニアは内科治療と外科治療の2つが主な治療法となっています。ここでは内科治療と外科治療のそれぞれについて詳しくお伝えしたいと思います。
 
内科治療
内科治療は、主に脊髄の圧迫がそこまで重症ではないワンちゃんに対して行われます。内科治療での治療は基本的に安静にして、投薬を行います。

「散歩に行かずに、部屋で安静にさせておくのかな?」とみなさんはお考えになると思いますが、それでは椎間板ヘルニアの治療における「安静」にはならないのです。「ケージレスト」という方法でワンちゃんを安静にさせるのです。これは、トイレなどをする時以外は狭いケージの中でじっとさせておくという積極的な安静で、4週間から6週間の期間が必要とします。この方法により、飛び出してしまった椎間板が安定するのを待つというものになるのです。

内科治療の場合ですと、外科治療に比べて再発率が高くなっています。そのため、グレードが3以上の椎間板ヘルニアの場合ですと、外科治療を選択する場合がほとんどです。
 
外科治療
外科治療は、症状が重症なワンちゃんに行われます。原因になっている椎間板を特定して、外科手術で取り除きます。また、この手術法ですと、椎間板ヘルニアの再発を防ぐための予防をすることもできます。

ワンちゃんが椎間板ヘルニアにならないようにするにはどうすればいいの?

ワンちゃんが椎間板ヘルニアにならないようにするために必要なことは、まず背骨の負担を減らすということを第一に考えることです。肥満にならないような食生活をさせるということで背骨や関節への負担を減らすことができるのです。栄養バランスをしっかりととった健康的な食生活をさせ、おやつなどをあまり与えないようにしましょう。

また、過剰な運動をさせないということも大事なことです。運動を全くさせないのもあまりよくはありませんが、過剰に運動をさせてしまうと関節などにも負担がかかります。適度な運動をさせるようにしましょう。フローリングや畳などの滑りやすい床材も関節の負担になってしまいます。カーペットなどを敷き、ワンちゃんの足が滑りにくくなるようにしてあげましょう。

椎間板ヘルニアになってしまった!ペット保険をつかって治療はできるの?

椎間板ヘルニアになってしまった際、治療費が高額になってしまい、驚いたという飼い主さんもいるのではないでしょうか。

 一般的に椎間板ヘルニアを外科手術で治療する際にかかる医療費は20〜35万円ほどと言われています。ペット保険に入れば飼い主さんの負担額が減るため、ペット保険に加入することを検討している飼い主さんも多いのではないかと思います。しかし、そこで皆さんが気になるのはペット保険は椎間板ヘルニアの治療に対して補償がきくのかという点だと思います。ここではペット保険をつかって椎間板ヘルニアの治療を行えるのかという点についてお教えします。

椎間板ヘルニアはほとんどのペット保険で補償がされ、保険会社によってはワンちゃん用の車椅子の費用がでるところもあります。

 ヘルニアは治療費が高額になってしまうことも多いため、プランや補償限度額、通院日数などを複数の保険会社の中から、よく比較して選ぶと良いでしょう。また、椎間板ヘルニア以外のヘルニアについて同じように補償がきくと思われる方もいるかとは思いますが、横隔膜ヘルニアなどは補償がきかない場合もありますので注意してくださいね。

ワンちゃんにヘルニアにならずに健康でいてほしい!

毎日を一緒に過ごす大事な家族のワンちゃんにはいつでも健康でいてほしいですよね。そんなワンちゃんがヘルニアになってしまった時に、今回ご紹介したことを覚えておいてくだされば、少しでも再発の予防や通院する際などに役に立つと思います。

ペット保険も使えば、万が一の際も安心して治療が行えますが、ワンちゃんが椎間板ヘルニアにならず健康的に過ごしてくれることが一番です。特にダックスフンドなどの椎間板ヘルニアになりやすい病気のワンちゃんの飼い主さんは気をつけてくださいね。

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