飼育・育て方

フェレットの飼い方 種類やエサ、気を付けたい病気について

お家の中で楽しそうに遊び、外で一緒にお散歩もできるフェレット。

飼い主さんの足元にすり寄ってきたり、部屋の中を活発に走り回る姿は見ているだけで元気になりますよね。フェレットは人になつきやすいうえに、飼い主さんの寝る時やお家に誰もいない時などはケージの中で過ごすことができるので、お世話もしやすいといわれています。

ネコちゃんの様にじゃれるフェレットは「ペットと一緒に遊びたい」「しっかり育てたい」という飼い主さんに人気があるようです。ワンちゃんほどの主従関係にはならなくても、トイレの場所を覚えたり、フェレットによっては芸を覚えることがあったりと、高い頭脳を持ち合わせているといわれます。ワンちゃんとネコちゃんを両方飼っているよう感じるといわれ、コミュニケーションがとりやすいこともフェレットの魅力です。

フェレットはどのように飼えばいいのでしょうか。「ペットはフェレットに決まり!」という方、大切な情報をおさえて、フェレットがお家に来る前の環境作りに是非お役立てくださいね。

1:フェレットの種類について

日本での歴史はまだ浅いフェレットですが、海外では古くから親しまれてきたという説があります。細長い、やわらかな身体を使い、土の中にいるウサギやネズミなどを追いかける家畜として飼われていたようです。フェレットはイタチの仲間ですが、大人になっても子ネコのようにじゃれたり、狭いところがあると自ら入り込んでいく姿がみられます。いつも機嫌がよく、たくさん遊ぶイメージをもつフェレットですが、睡眠時間が比較的長く、時には20時間に及ぶこともあるようです。

フェレットは、肛門付近にある臭腺から強いニオイを発したり、メスに関しては発情期に交尾をしないでいると、貧血性の病気などが発症することがあります。最悪亡くなってしまうこともあるので注意が必要です。

オスに関しては、去勢をしないとニオイがきつくなったり、気が荒くなる傾向が指摘されています。そのため、現在ペットショップなどの販売店で売られているフェレットは、このような臭腺を取り、避妊や去勢をすませた「スーパーフェレット」が多く取り扱われています。

飼い主さんの中には、手術や避妊・去勢などに抵抗があり、「できるだけ自然な状態で育てたい」という方もいらっしゃるかと思いますが、そのような自然の状態のフェレットの方が数も限られるようです。

一般的に手術を施していないフェレットは「ノーマルフェレット」と呼ばれていますが、個人的なブリーダーさんや、専門店での取り扱いになることが多いといわれています。上記のような病気の可能性から、ノーマルフェレットはフェレットを初めて育てる飼い主さんにはおすすめできないようです。

もし出産などでノーマルフェレットを育てる場合は、メスは死にいたる可能性がありますので、発症した際のお世話や動物病院での診察などを前もって確認する必要がありますね。

フェレットは瞳や毛の色などに違いがありますが、習性はほとんど変わりないといわれています。ペットショップなどの販売店で名前が異なる場合もありますが、以下のような種類が取り扱われています。

・セーブル:濃い茶色や白の毛色をした基本的な種類といわれています。
・シナモン:薄い茶色や生成り色の毛色をもっています。
・シルバーミット:毛先がやや銀色がかった色をしています。
・パズルミット:パンダと呼ばれるカラーを持ち、比較的珍しい種類といわれています。
・アルビノ:真っ白な身体に、赤い瞳が特徴的です。

色などによって20,000円から100,000円以上と幅のあるお値段が付けられています。セーブルの種類は20,000円前後といわれていますが、ペットショップなどの販売店や販売時期によっても異なりますので、いくつかペットショップなどに足を運ぶことをおすすめします。

2:必要なものと初期費用について

フェレットを飼うにあたり必要な物は、ケージ、ハンモック、エサ箱、トイレ、給水器といわれています。ペットショップや通販などで一式揃った飼育セットの商品もあり、10,000円前後で売られています。

ハンモックなどは洗えるようにと追加で購入したり、飼い主さんによっては手作りで用意をする方もいらっしゃるようです。夏と冬では生地の厚さも変えた方がいいといわれています。ハンモックを使わずに床の上で寝るフェレットもいるので、ご自宅のフェレットがどちらを好むかを確認しておきたいですね。ハンモックを寝床にしなくても、オモチャの1つとして使っていれば付けたままにしてあげましょう。床の上で寝る場合は潜ったりできるように、ある程度大きさのあるタオルなどを入れておくことをおすすめします。

ケージの選び方については、網目が広いタイプだと脱走しようその隙間にはさまってしまう可能性があるので、縦筋である程度細かいワイヤータイプがおすすめされています。飼い主さんが広いケージを選んだつもりでも、フェレットはケージの外へ出て遊びたがるので、活発なフェレットが動き回れるようにできるだけゆったりとした床面積の広いケージを用意してあげたいですね。木製の箱や水槽などは換気がしづらく、衛生面でもトラブルになる可能性がありおすすめはできません。

ケージの中に入れるトイレは三角よりも四角がよく、フェレットがすっぽり入る高さが使いやすいといわれています。個体差もあるようですが、四角の方が比較的トイレのしつけもしやすいようです。

エサ箱は動きまわるフェレットでひっくり返らないように、固定されたものや陶器などの重たい容器がおすすめです。またお水をよく飲むといわれていますが、飲み水をお皿で用意してしまうと水遊びで身体やケージを濡らしたり、空になったお皿をオモチャにする可能性があるため、外付けできるボトル状の給水器が無難です。

ボトル状の給水器はフェレットの唾液などの雑菌でお水が痛みやすい場合もあるので、夏場は朝晩の2回は交換し、洗った後は煮沸消毒などを心掛けると衛生的に使えますね。

人間が飲むミネラルウォーターは結石ができる原因にもなるといわれていますので、水道水で十分だといわれています。水質が心配な方は浄水器を取り付けるだけでもいいようです。

他にもフェレットのオモチャなどを見て、欲しくなる飼い主さんも多いのではないでしょうか。オモチャはたくさん種類があり、飼いはじめの頃は迷ってしまうかもしれません。せっかく購入してもフェレットが気に入らなければ無駄になってしまいますので、どんなものが好きなのか様子を見て少しずつ与えるといいですね。

3:食餌について

フェレットは腸が短いことから、高い栄養分を短い時間で吸収するために高タンパクなエサが必要といわれています。ワンちゃんは雑食性が強いためドックフードでは代用できず、お肉をベースとしたキャットフードの場合は成長期の子猫用でも一時的な代用に限られ、やはり栄養素が足りません。そのため、フェレットにはフェレット専用のフードが必要となります。近年ではその種類も豊富となり、無添加を主張したエサも市販されています。十分な栄養がとれていないと、フェレットが病気になってしまうことにつながります。いくつか種類を変えてみて、ご自宅のフェレットの好みを探してもいいですね。

一緒に遊ぶ時などに飼い主さんの手でおやつを与えると、フェレットが慣れるきっかけになります。栄養補助にも繋がりますので、フェレット用のジャーキーなどを用意しておくといいですね。

野菜や人間が食べるチーズなどはおなかを壊してしまう可能性があるので、避けた方が無難です。ワンちゃんなどの場合、手作りでエサを作る飼い主さんもいらっしゃいますが、フェレットの場合は人間と分けた方がいいようです。

また飼い始めたころは、しばらく今まで食べていたエサを続けることをおすすめします。ペットショップなどでお家に迎える前に、フェレットがどのようなものを食べていたのか聞いておくといいでしょう。

子供のころはフェレットのエサを、水やお湯でペースト状にのばして作ります。熱湯ですと栄養素が壊れてしまう可能性があるので、お湯を使いたい場合はぬるま湯に冷ましてから使うことをおすすめします。

雑菌が繁殖しやすいので1度に食べきれる量だけを作り、食べ残した場合も夏場などは捨ててしまう方がいいでしょう。一般的に生後3ヶ月前後までのフェレットにはこのようなペースト状のエサを与え、3ヶ月以降は固形フードに変える時期といわれています。ペースト状のものから固形のエサに変える際は、急に変えると食べないことがあります。ペースト状のエサに固形フードを混ぜるなどして、少しずつ変えていく方がフェレットも抵抗なくすむようです。

固形フードの与え方は飼い主さんによって異なり、1日朝晩の2回用意する飼い主さんもいらっしゃれば、いつでも食べられるようになくなったらエサ箱に追加する飼い主さんもいらっしゃいます。人間と同じで食べ過ぎは万病の元ですから、適量であることを把握する必要がありそうですね。

4:注意点について

フェレットを飼う上で大切なことは、ケージから出してよく遊ばせることといわれています。比較的たくさん眠るフェレットですが、起きている間はケージの外で元気に遊びたいようです。そのため、ケージの外に出られないと体当たりをして騒音になることもあります。ストレスがたまり過ぎるとケージの中を荒らしたり、ケージの網をかじって歯を折ってしまう可能性もあります。ある程度広いケージを準備しても、ケージの中だけの生活は活発なフェレットには運動不足やストレスの原因になります。運動不足やストレスは万病の元ですから、少なくても1日に1回はケージから出して、一緒に遊べる時間をもちたいですね。遊ぶ時間や長さは、毎日できるだけ同じにした方がフェレットも落ち着きやすくなるといわれています。

フェレットをお部屋の中へ放す際は、怪我をしないように飼い主さんは見守ることが必要です。フェレットは高さを把握できないといわれ、高い所から落下する事故が多いといわれています。

高い所を怖がることもなく、ネコちゃんのようにカーテンをつたって上まで登ることもあります。しかし上手に降りてこられないためにそこから落ち、捻挫や骨折、ひどい場合は亡くなってしまうこともあるようです。一緒に遊んでいて、そのような事故にあってしまうのは本当に悲しいことです。「こんなに活発だとは思わなかった」とならないように、飼う前にフェレットの動きなどは知っておくと良いでしょう。走り回る様子などは飼い始める前にペットショップなどで実物を見ると、どの程度なのか分かりおすすめします。足音もありますので、壁などが薄い集合住宅にお住まいの場合は、近隣の方への配慮も必要ですね。

またフェレットは気に入ったものを集める習性があるといわれています。ソファの下などの見つかりづらい所に、せっせと身近なものをくわえて集めるようです。くわえられるものであればいいのですが、子供のオモチャに使われやすいスーパーボールなどの細かいものは、誤飲につながる可能性があります。そういった危険な物がないか、お部屋の中を念入りに片づけておくことも大切
ですね。

狭い所に入りたがるので、出てこられなくならないようあえて隙間を広げておくか、そのような心配のない部屋を選ぶことが理想的です。バックの中やクッションの下などにも楽しそうにもぐって遊ぶため、飼い主さんは踏まないように注意も必要ですね。

フェレットを飼っている方の悩みとしては、噛み癖がなおらず困る飼い主さんも多いようです。子供の頃は歯が生えることもあり甘噛みをするともいわれていますが、子供のうちから人間を噛む時は「だめ!」など声だけでしつける必要があると言われています。オモチャなどであれば噛んでもいいのですが、電気コードなどになると感電などの危険性も出てきます。そのような器具やコードはフェレットの触れない所に置くか、カバーを付けることをおすすめします。

5:暖房・冷房対策について

フェレットは寒さに強い動物だといわれていますが、冬場などは風邪をひいてしまうこともあります。最適な室温は20度前後ですが、同じお家の中でも温度に差が出ますので、ケージの置き場所で寒暖差が激しくないか、日頃から確認しておきましょう。

エアコンで温度を調節しているお部屋では、直接風があたらないようにします。真冬の時期など寒さが心配な時は、ケージの下にペット用のパネルヒーターや電気毛布などを敷いて一定の温度を保つといいようです。またハンモックなどの寝床では、生地を厚手のものや毛布のように暖かさのある素材に変えてあげることも暖房対策に有効です。中にボアのついたハンモックやテントが市販されているのを見かけますが、寝床がきちんと暖かさを保持できれば風邪対策にもなります。

他の小動物で使われやすい木材チップは呼吸困難を引き起こす例もあるため、おすすめできないといわれています。

また飼い主さんがインフルエンザなどにかかった場合、フェレットにもうつると言われています。ご自身の体調管理はもちろん大切なことですが、もし患ってしまった際はフェレットにうつらないよう別の部屋へ移動するか、なるべく近寄らないようにします。フェレットの免疫力が下がらないように、普段以上に温度の確認をするといいですね。どんな時でも風邪対策は万全にしておきたいものです。

また寒さより暑さの方が弱いので、逆に温かくし過ぎて熱中症などを引き起こさないように、フェレットの様子をしっかり見極めることも大切です。扇風機の風では体温の調節ができないともいわれていますので、夏場に対してはエアコンなどで温度を調節することをおすすめします。

6:病気について

フェレットは他のペットに比べて病気になりやすい面があるようです。定期的にワクチンを接種する必要がありますので、近隣の動物病院などで対応可能か、かかりつけの獣医さんを先に見つけておくとよいでしょう。

ワクチンの接種などはどのような時期に行うのか、きちんと把握しておくことが大切です。ペットショップなどの販売店によっては、すでにいくつかワクチンを接種している場合もあります。購入前にどのような状態なのかを確認し、その後の接種についても聞いておくことをおすすめします。

ワクチンによっては年に1回の追加接種が必要な種類もあるので、詳しいことは動物病院で接種した後、忘れないようにメモをしておくといいですね。

フェレットの病気はワクチンなどで予防できるものもありますが、ガンになりやすいとも言われています。そのため、日常的にフェレットの調子を確認し、少しでも不安がある際は動物病院での診察をおすすめしています。

食欲や活発さはいつもと同じか。排泄物に変化はないか。鼻水やくしゃみ、震えに関してもただの風邪であったり、温かくしておけば治るというものではないかもしれません。フェレットのサインとして分かりやすい症状は「元気がない」ことです。いつもは起きている時間なのに、ずっと寝たままの場合も病気を疑う必要があります。「いつもと違う」という症状は飼い主さんが誰よりも分かる判断基準ですので、普段からフェレットと関わる時間を大切にしたいですね。

7:その他のお世話のポイントについて

爪切りやシャンプー、ブラッシングや外でのお散歩などフェレットには色々なお世話がありますが、どれもコミュニケーションの時間にもなるので、楽しみながら携われるといいですね。

爪切りに関しては、白くなっている部分だけを切るように細心の注意が必要です。ピンク色をしているところは血管があり、切り過ぎてしまうと思わぬ怪我を負わせてしまうことになります。痛みや出血がおさまっても爪切り自体を怖がり、暴れるようになる可能性もあります。慣れないうちは動き回るフェレットの爪切りをすることは大変です。

噛み癖が強い場合はカミカミされながら切るので、飼い主さんの手も心配ですね。お互いの怪我を防ぐためにも20本ある爪を一度に切るのではなく、面倒でも1ミリ程度を数日に分けて切ってあげる方がいいでしょう。爪は長くなると自宅内のマットに引っかけたりしますので伸ばしたままにはできませんが、長くなった所を優先的に切ることで長さを保つことは可能です。安全を第一に考え、無理をさせないようにしながら整えてあげたいですね。

シャンプーについては、フェレットには特別必要というわけではないようです。過度なシャンプーは皮膚に必要な分泌物を洗い流してしまうため、皮膚病の原因になる可能性もあります。お水遊びも好きなフェレットなので、ニオイが気になる時だけ洗ってあげるようにしても十分といえます。

公園などの外へ出てお散歩する場合はノミなどの寄生虫がフェレットの身体にくっつき、皮膚にトラブルを起こす可能性もありますので、お出かけの後はシャンプーをおすすめしています。そうでない場合は1ヶ月に1度から、飼い主さんによっては3ヶ月に1度で十分だという方もいらっしゃいます。夏場はお水で遊ばせるのもフェレットが楽しめそうですが、冬場は風邪などを引き起こさないように控えた方が無難です。

洗った際は温かい場所ですばやく身体を乾かしてあげましょう。フェレットも体力を使いますので、お部屋に戻った後は疲れすぎていないかをチェックすることも忘れないでくださいね。

春や秋にはフェレットの毛が生え変わる時期といわれています。短毛のため必要がないように思われますが、ブラッシングをしてあげることで血行をよくするなどのいい面もあります。また湿疹などの異常のチェックもでき、おすすめです。この時期はハンモックなどの寝床も毛が付きやすいので、こまめに洗い清潔を保ちたいですね。

フェレットを飼ううえで、お散歩をすることに魅力を感じる飼い主さんは多いようですが、必ず必要というわけではありません。車などの騒音やネコちゃんやワンちゃんに遭遇したりと、慣れないうちはフェレットも緊張の連続です。逃げ出さないようにリードを付ける必要もありますので、フェレットのストレスになる可能性があります。

フェレットはワンちゃんのように、飼い主さんの歩調に合わせて歩くことは難しいので、道路などは飼い主さんが抱っこしたり専用のバックなどで移動して、安全だと確認できる所でおろしてあげるといいですね。好奇心旺盛な動物ですので、慣れてくればフェレットも本来の活発さをみせてくれるでしょう。外ではリードを手から離さないように注意して、見守ってあげたいですね。

日光浴や運動させる目的であっても、フェレットとお散歩をしたい場合はワクチンがきちんと接種し終えているかを確認する必要があります。接種していないと、何かしらの感染症などを引き起こして体調を崩す可能性が出てきます。心配な場合はあらかじめ動物病院で診察を受けると安心ですね。

いかがでしたでしょうか。ネコちゃんやワンちゃんと同じように飼えるといわれるフェレットですが、異なる点もあります。ワクチン代などの医療費がかかりやすいといわれていますので、飼うと決めた際はしっかりと情報を得て、準備をし、愛情をもってお迎えしたいものです。大切な家族の一員として、1日でも長く、フェレットとの生活を楽しまれるといいですね。

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