飼育・育て方

【モルモットの飼い方】種類や費用や食餌、飼う際の注意点について

おとなしい性格で、ペット初心者にもおすすめされているモルモット。

ウサギやハムスターと比べると一般的ではないため、ペットショップなどの販売店でも取り扱いが少ない動物ですが、短い手足で地面を歩きまわるしぐさが可愛らしく、愛好家の多いアメリカやヨーロッパではモルモットショーが開催されるなど高い人気を集めています。

モルモットは慣れてくると、飼い主さんに反応して近寄ってきたり飼い主さんの手からエサを食べたりします。

身体を触られることはあまり嫌がらないため、なでたり抱っこしたりといった触れ合いを大切にする飼い主さんにもおすすめのペットです。

実際に育てている飼い主さんからは「感情表現が豊か」「コミュニケーションが取りやすい」などと共同生活を楽しんでいる声が多く見受けられます。

こちらのページでは、モルモットの飼い方やかかりやすい病気、ペット保険の加入についてまとめてみました。

ワンちゃんやネコちゃんと比べモルモットはペットの歴史が浅く、情報や飼育用品などが豊富とはいえません。

飼い方や知識などの準備が大切ですので、これからお家に迎える際は情報収集にお役立てくださいね。

モルモットの種類

ペルー南部やアルゼンチン北部などを故郷にもつモルモットは、野生では乾燥した山岳地帯に生息しています。

草原などの地中に穴を掘って生活をしていますが、岩の隙間や他の動物が使っていた巣などを利用することもあります。

敵に見つかりづらい夕暮れから夜にかけて活動する夜行性です。活動範囲はエサを確保できる巣穴の付近に留めるため、あまり遠くへは行きません。

数頭のメスを中心に、オスや若い個体が混ざった5匹から10匹前後の群れを作ります。鋭い聴覚と何種類かの鳴き声で仲間とコミュニケーションを取りながら生活をしています。

モルモットは、ネズミ目のテンジクネズミ科に分類されるといわれています。体内でビタミンCが作れないことから世界中で実験動物として広まりましたが、現在では徐々にペットとしての飼いやすさが人気を得ています。

モルモットの種類は、短毛種と長毛種の2つに分けることができます。

同じ短毛種でも、つむじがあったり毛の縮れ具合などによって少しずつ種類が異なります。そこに色のバリエーションが組み合わさるため、モルモットの種類は無数にあるといわれています。

・短毛種
イングリッシュ:代表的なモルモットです。身体に密着するように毛が生えています。
テディ:イングリッシュよりも毛が少し縮れているのが特徴です。アメリカ原産。
クレステッド:イングリッシュに似ていますが、頭部につむじがあります。
レックス:テディと同じような縮れ毛ですが、ヨーロッパ原産です。
アビシニアン:毛が少し長く、胴の左右対称の部分につむじがあります。

・長毛種
ペルビアン:柔らかい毛質です。長く伸びた毛が直毛のタイプとカールが強いタイプがあります。
シェルティ:頭部は短毛ですが、胴に長くて柔らかい毛が生えます。
コロネット:頭部にとさかのような毛があります。
テッセル:毛が縮れています。

ヨーロッパやアメリカでは毛の色や質からよって種類を複雑に分けていますが、日本では上記のモルモットが一般的です。モルモットの寿命は5年から8年前後で、中には10年以上長生きすることがあります。

またモルモットの種類には、1990年代から日本に輸入され始めたスキニーという毛の生えないモルモットがいます。

個体によっては鼻先や背の部分にわずかな毛が生えますが、ほとんど毛がなく「スキニーギニアピッグ」とも呼ばれています。

有毛のモルモットよりも寒さに弱いため、室温は24度から26度に保つようにします。エサの栄養価に心がけ、肌が乾燥しやすい冬は、犬用のスキンクリームなどで皮膚の保湿が必要です。他のモルモットに比べて短命といわれています。

ペットショップなどの販売店や種類によって異なりますが、2,000円から10,000円前後の値段が付けられています。

購入する際は飼育環境やモルモットの状態などをチェックしましょう。ケージがひどく汚れていないか、毛並みが整っているかなどは普段どのような環境で生活しているのかが分かるポイントになります。

目ヤニなどが出ている場合は、病気を患わっていることがありますので注意しましょう。性格もそれぞれ異なりますので、抱っこさせてもらえるのであれば何匹か触ってみることをおすすめです。

店員さんの対応も大切なポイントになります。

丁寧に扱っていなければモルモットも人を怖がるようになり、お家に迎えてもあまり慣れない可能性があります。

また、すでに大人になっているモルモットが店頭に並んでいることがあります。モルモットは生後4か月で成熟しますので、生後1~2ヶ月程度の子供のうちから飼い始めた方が慣れやすいといわれています。

夜行性ですので、活発に動き出す夕方以降に見に行くと良いでしょう。

必要なものと初期費用について

モルモットはトイレのしつけが難しく、基本的にはどこの場所でも排泄をします。そのためケージは湿気がこもりやすい水槽ではなく、風通しの良いワイヤーケージをおすすめします。

地表で生活をしているため高さは不要ですが、狭いケージはストレスに繋がりますのでできるだけ広いケージを選びましょう。

広いケージが置けない場合は、定期的にケージから出してお部屋で遊ぶ時間を設けることをおすすめします。慣れてないうちに放し飼いにするとストレスに繋がりますので、飼い主さんとの信頼関係ができてから遊ぶようにすると良いですね。

ケージは網目が広いタイプですと噛み続けて歯が折れたり不正咬合の原因になりますので、細かいものをおすすめします。

こまめな掃除が必要ですので、ケージの取り外し方法まで確認しておくとお世話がスムーズですね。ケージはペットショップなどの販売店やインターネットで、3,000円から10,000円以上のお値段で売られています。

そのケージの中に、巣箱、エサ箱、給水器、巣材などを入れてあげます。

巣箱は日中に落ち着いて休めるように入れてあげましょう。歯を削って伸び過ぎが防げるように、木製の巣箱をおすすめします。巣箱の床がないタイプですと、掃除もしやすく便利です。

エサ箱は生の野菜などは新鮮なものが食べられるように、活動を始める夕方に用意をします。牧草は常に置いておくことをおすすめします。モルモットのケージを購入する際に、牧草フィーダーが付いていればそこに入れておきましょう。

エサ箱は毎回洗って清潔を保ちます。モルモットが手をかけた時にひっくりかえらない重さのあるものか、ケージに設置できるタイプが良いですね。

水気の多い野菜を与えていると、モルモットは水をあまり飲まなくなります。しかし体温を調節するためにも水は必要ですので、給水器は必ず設置し新鮮な水がいつでも飲めるようにしましょう。

巣材はワラなどを用意すると良いでしょう。牧草も床材になりますがコストが高くなる可能性があります。また新聞紙はモルモットが食べてしまうことがあるため、おすすめできません。

床が金網の場合は足を引っ掛けてケガをすることがあるので、外すようにしましょう。スノコを敷くと爪の伸び過ぎを防ぐことに繋がりますが、素材が柔らかく、隙間が狭くて少ないものを選びます。

素材が硬かったり隙間が空いているタイプは、金網ケージと同じように脚を引っ掛けてケガをする可能性があります。モルモットがかじってもいいように、スノコは天然素材のものを選びましょう。飼い主さんの中には数枚のスノコを用意し、毎日洗って取り換えている方もいます。

清潔を保つためにも、掃除がしやすいことが重要です。

木材チップはアレルギーを引き起こす可能性があるため、使用する際は加熱処理がしてあるものを選びましょう。

種類によっては体調を崩す原因にもなりますので、購入する前に素材などを調べる必要がありますね。

床材を使わず、金網のケージで育てていると脚の裏に炎症を起こす可能性があります。脚の特定の部分に体重がかかるため、皮膚が硬くなったり、ひどくなると膿が出てしまうことがあります。ワラやペットシーツを敷くと脚への負担が軽減されるのでおすすめです。床材は季節やモルモットの様子をみながら、その都度変えることが大切ですね。

食餌について

モルモットを健康的に飼う上で、栄養のバランスを考えることはとても大切です。

草食性の動物なので、牧草を主食にすると良いでしょう。低カロリー、低たんぱく質のイネ科のチモシーですと太り過ぎを防ぐことに役立ちます。また食物繊維も豊富ですので牧草は常にケージの中に入れて、いつでも食べられるようにしておくと良いでしょう。

他のペットと比べて丈夫といわれるモルモットですが、体内でビタミンCを作れないため、副食にモルモット専用フードや新鮮な野菜、果物を適量与えます。栄養が偏ると歩行が困難になったり貧血などの症状へ繋がります。

野菜はキャベツや小松菜、パセリ、サツマイモなどを与えます。ニンジンは食べ過ぎると肥満に繋がりますので少量に留めます。ねぎ類やニラなどは刺激が強いため与えないようにします。人間が食べるお菓子なども危険ですので、放し飼いにした際は誤って食べることのないように十分注意しましょう。

果物はリンゴなどほとんどのものを食べることができ、モルモットも大変喜びます。肥満を防ぐためにも、食べ過ぎに気を付ける必要がありますね。手からエサを与えたりすることで、コミュニケーションも取りやすくなりおすすめです。

専用フードなどは急に種類を変えると、モルモットが食べなくなることがあります。変更する際は、今まで食べていたエサに少しずつ混ぜて馴らしていくと良いでしょう。

注意点について

人に慣れるモルモットですが、過度な触れ合いを求めるとストレスがたまり飼い主さんから逃げるようになるといわれています。

モルモットは音に敏感な動物ですので、昼間は静かな環境でゆっくり休ませてあげましょう。夜行性ですので、夜は部屋の明かりを調節すると良いでしょう。

高い場所を怖がるため、抱っこを嫌がることがあります。慣れないうちは座った状態で抱っこを始めましょう。無理をしない程度に、子供のうちから慣れておくと良いですね。

普段はおとなしいモルモットも、危険を感じた時はかなりの速度で走ることができます。慣れないうちに脱走すると捕まえることが大変です。慌てて追いかけると人間を怖がるようになりかねません。飼い始めの時期に脱走してしまった際は静かな環境を作り、家具の後ろなどに隠れている時はモルモットが自ら出てくるのを待ちましょう。

モルモットの瞳は顔のサイドについているので視野は広いのですが、後ろが見えません。急に背後を触ると怖がる可能性がありますので、驚かさないように視界に入る位置から触るようにしましょう。

モルモットはハムスターやウサギと同じように、歯が伸び過ぎるのを防ぐため物をかじります。放し飼いにした際は家具などもかじりますので、そのような心配のない部屋が理想です。

電気コードは感電などの危険がありますので、あらかじめ片しておくか保護をする必要があります。部屋の中は思いもよらない事故に繋がることがありますので、念入りにチェックをしてから放し飼いにしましょう。

慣れてきたら、ブラッシングを加えることをおすすめします。肌の異常を確認できたり、コミュニケーションを取るのに役立ちます。落下を防ぐためにも飼い主さんは床に座ることをおすすめします。獣毛ブラシでやさしくなでるようにブラッシングをしましょう。

長毛種はおしりや後ろ脚に毛玉ができていることがあります。引っ張られて皮膚が炎症を起こすきっかけに繋がりますので、見つけた際はハサミで切ります。ハサミはワンちゃん用の先の丸いハサミを用意しておくと、皮膚を傷つけるなどの事故防止に役立ちます。

爪が伸び過ぎている際は、先端の2ミリ程度を小動物用の爪切りで切りましょう。爪の根元は血管が通っていますので、切り過ぎないように細心の注意が必要です。

暖房対策について

モルモットは寒さに弱い動物ではありませんが、寒さが原因で病気になることがあります。

ケージの温度は20度前後が適していますが、朝晩の冷え込みなどでモルモットが弱ってしまうこともあるので、モルモットの暖房対策について準備が必要です。

秋頃から巣材や床材は豊富に入れておきます。冬の時期は端切れなどがあれば巣箱に入れておくと良いでしょう。毛布や段ボールなどでケージを覆うと、保温に役立ちます。エアコンなどを使用する際は、直接風が当たらないようにしましょう。

地域によってはペットヒーターなどを準備することも必要です。排泄物で汚れたり、コードをかじられないように保護しておきましょう。可能であればケージの外側に温度計を設置すると、温度管理に役立ちます。

寒くなるとモルモットの動きが鈍くなり、眠る時間が長くなります。冬は風邪などの病気にもなりやすい時期ですので、健康管理には十分気をつけましょう。

また30度以上の室温ですと命に関わります。夏場の暑い時期も温度管理に注意が必要です。

繁殖について

モルモットは比較的簡単に繁殖できるといわれています。

オスは生後2ヶ月前後で成熟し、発情したメスがいれば交尾をします。メスは生後4か月前後で成熟し、繁殖が可能になります。メスの発情期は15から16日周期で、特有のにおいでオスを誘います。他のモルモットを追いかけるなどの行動が見られる時もあります。

交尾が確認できたら、オスとメスを分けて育てましょう。

モルモットの妊娠期間は約2ヶ月です。1度に2匹から多い時は8匹の子供を出産します。メスが安心できるように、できるだけ静かな環境を作りましょう。エサは栄養価の高いアルファルファなどの牧草に切り替え、モルモット専用のペレットや野菜、果物を与えます。

モルモットの子供は、生まれるとすぐに動き回ることができます。やわらかいものであればすぐに食べることができ、2~3週間すると親と同じエサを食べます。

モルモットの子供は母乳だけでなく水も飲みますので、子供用に給水器の位置を低めに設置すると良いでしょう。

生後1ヶ月半程経つと子供も発情期を迎えますので、繁殖を希望しない場合はオスとメスを分けて育てましょう。

モルモットのかかりやすい病気やケガ

・不正咬合
歯が伸び過ぎることで、エサを上手に食べることができなくなります。よだれを垂らしたり、口の中を歯で傷付けることから食欲不振になることがあります。様子がおかしいと気付いたら、なるべく早く動物病院へ連れて行きましょう。

・ビタミンC欠乏症
モルモットは体内でビタミンCを作ることができないため、エサからビタミンCを摂取する必要があります。ペレットにもビタミンCは添加されていますが、保存状態によっては劣化が生じ不足していることも多いです。

元気がなかったり、ふらつくなどの歩き方がおかしい時はビタミンC欠乏症を疑います。また関節が腫れることもありますので、安易に様子を見るなどで時間をかけず、獣医師に相談をしましょう。

・その他
他にも細菌感染や寄生虫などによって、排泄物に変化が生じたり、身体をかゆがるなどの症状が出ることがあります。また温度などの生活環境やストレスによって、様々な病気を引き起こす可能性があります。モルモットなどの小動物は症状が急変することがあるため、早期発見・早期治療が大切です。あらかじめモルモットを診察できる動物病院を探し、異変がある時はすぐに連れて行くようにしましょう。

飼育環境は日頃から見直すことが大切です。常に清潔な状態を保ち、エサのバランスや実際に食べている量を把握する必要があります。病気の予防にも繋がりますので、モルモットが元気で長生きするためにも時には専門家からのアドバイスを受けと良いでしょう。

最後に

ペットの治療費は思いがけず高額になることがあります。早くに治療を開始することで症状の悪化を防ぐことに繋がり、「もっと早く診察を受ければ良かった」とおっしゃる飼い主さんは少なくありません。

モルモットの加入手続きのできるペット保険もあるのでぜひ一度ご検討くださいね。

ペットと一緒に暮らす中で、その小さな命からたくさんのことを学びます。愛情を与えたり、逆にペットの存在に癒されたりする時間は、かけがえのない幸せなひと時ですよね。ペットと飼い主さんのライフスタイルを考えることは、ペットを最期まで大切に育てる上で大切なことです。

幸せな時間ができるだけ長く続くように、健康管理にお役立てください。

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