基礎知識

【猫のワクチン接種】費用や間隔時期、ワクチンの必要性や副作用について

ネコちゃんとの生活は、忙しい毎日を送る飼い主さんにとっては、癒やしを与えてくれるものであり、様々な喜びを与えてくれるものであることでしょう。そのような楽しいネコちゃんとの毎日を守るためには、健康面や生活面などで飼い主さんがネコちゃんのサポートを日々の生活の中からして上げる必要があるのです。

ネコちゃんの健康面や日々の生活をより良いものにしてあげる上で役に立つサポートには、生活の質を下げてしまう危険性がある病気や命を落としてしまう危険性がある病気を予防するようにする、運動などをしっかりとさせるようにし、肥満や糖尿病などの生活習慣病を予防するようにする、飼育環境などをネコちゃんにとって心地の良い適切なものにしてあげるようにし、感じてしまうかもしれないストレスなどを最小限に抑えるようにするなど様々なものがありますが、そのような飼い主さんのサポートの中でも、病気を予防するということは特に重要なことになります。

病気を予防するためには、日々の生活の中から病気についての知識をしっかりと持っておくようにし、それについて特に注意しておくようにすることが役に立ちますが、それでも病気になってしまうこともありますし、「どうすれば良いの?」という疑問をお持ちになられている飼い主さんもいらっしゃることでしょう。

ネコちゃんの病気の中には、ワクチンを接種させるようにすることで防げる感染症などもあり、それらの中には、猫エイズウイルス感染症と呼ばれるネコちゃんの生活の質を下げてしまうだけではなく、命を落としてしまうかもしれない危険性がある病気もありますので、ネコちゃんにしっかりとワクチンを接種させるようにすると安心かもしれませんよね。

しかし、「ワクチンってどのようなもの?」という疑問をお持ちになられている飼い主さんも多いと思いますし、「ワクチンの存在については認識しているけど、どのように作られているの?副作用などは?」という不安をお抱えになられている飼い主さんもいらっしゃることでしょう。

今回は、ネコちゃんのワクチンがどのように作られているのか、ネコちゃんがワクチンを接種することで防げる病気にはどのようなものがあるのか、ワクチンが引き起こす副作用、ワクチンを接種することで得られるメリットやデメリット、ワクチンを接種する前に飼い主さんに気をつけていただきたいことなどについてお伝えさせていただきます。

猫のワクチンはどのようにして作られるの?元は病原菌って本当?

ネコちゃんのワクチンは、感染したことがない病原菌やウイルスなどに感染してしまった際にネコちゃんの症状などを軽減することが目的になっています。ワクチンは毒性をなくしたか、毒性を弱めた病原菌であり、それらを一度体内に取り込むことにより、ネコちゃんの体内に抗体を作り、防御システムを構築するのに大きな役割を果すのです。

一度、感染し、発症してしまったことがある病気には、抗体が存在するのですが、生まれたばかりのネコちゃんや大きな病気をしたことがないネコちゃんには、様々な病気に対する抗体などが存在せずに、命を落としてしまう危険性がある病気に感染してしまうというリスクも存在しますので、ネコちゃんの楽しい生活を守るためにもワクチンを接種させるようにしてあげてくださいね。

ネコちゃんのワクチンには、ワンちゃんの狂犬病ワクチンの様に、接種が義務付けられているワクチンはありません。これは、ネコちゃんが現在の日本では、ほとんどの飼い主さんが室内で飼育するためです。このような理由から、「室外に出さないのだから、ワクチンを接種させる必要はないのではないの?」というようにお考えになられてしまう飼い主さんもいらっしゃるのではないかと思います。

しかし、ネコちゃんを苦しめてしまう病気の原因になるウイルスなどは、飼い主さんが外出した際に持ち帰ってしまうこともあるかもしれませんし、来客などの際にウイルスがご自宅に侵入してしまうこともあるかもしれません。それに加えて、ネコちゃんが脱走してしまい、野良猫からウイルスや病気をもらって来てしまうということもあるかもしれませんよね。

このようにネコちゃんの感染症などの原因は完全に防ぐことが難しいものになっていますので、ワクチンなどをしっかりと接種させるようにし、ネコちゃんが安心して生活できるようにサポートしてあげることが望ましいでしょう。

ネコちゃんの病気の中でワクチンを接種させることで予防することができる病気はいくつもありますが、それらを予防するために何回もワクチンを接種させることになりますと、注射が苦手なネコちゃんや病院に行くのを嫌がるネコちゃんには大きなストレスを与えてしまいますよね。

「でも、ネコちゃんにしっかりとワクチンを接種させたいけど、ストレスは与えたくないのだけれどもどうすれば良いの?」というようなお悩みをお抱えの飼い主さんもいらっしゃるのではないかと思います。そのようなお悩みをお抱えになられている飼い主さんにおすすめなのが、複数の病気に対してのワクチンが含まれている混合ワクチンなのです。

混合ワクチンには、感染症や命を落としてしまう危険性がある病気などの中でも、ワクチンで感染を予防することが容易であり、ワクチンを接種した際にネコちゃんにあらわれる副作用が比較的軽い病気のワクチンを混合したものですので、一度のワクチン接種で複数の病気を予防することができますが、全ての病気を予防することができるというものではありませんので、獣医さんとしっかりと相談してからワクチンを接種させるかどうかを決定するようにしてくださいね。

ネコちゃんが摂取するワクチンには、不活性化ワクチンと生ワクチンの二種類があり、それぞれメリットやデメリットが存在します。

不活性化ワクチンは、化学処理などで死んだウイルスや細菌、リケッチアなどを用いたワクチンになっています。この不活性化ワクチンは、ネコちゃんの身体に副作用が出る危険性などが抑えられているというメリットが有りますが、免疫の持続期間が生ワクチンと比較した際に短くなっていますので、ワクチンの効果が切れる前に、再びワクチン接種をさせるようにしなければいけないというデメリットも有ります。

定期診断などでワクチンの効果が持続しているかを確認する必要もありますので、ネコちゃんの健康状態の確認も兼ねて、年に1回は動物病院での定期検診を受けさせるようにしましょう。

生ワクチンは、毒性を弱めたウイルスや微生物などを使用したワクチンです。ネコちゃんの体内に作られる抗体の免疫力が高く、効果が長期間に渡って続くこともあり、長い場合には一生涯にわたって免疫力が持続することもあるということが大きなメリットになっています。デメリットとしては、不活性化ワクチンとは違い、ウイルスや微生物の毒性を弱めてはいますが、死滅しているわけではないため、ワクチンを接種した際に強い副作用等が出てしまうという危険性も存在しますので、ネコちゃんにワクチンを接種させる際には獣医さんにしっかりと相談し、万が一、副作用が出てしまった際にも、きちんと対策ができるように準備してから、ワクチンを接種させるようにすると安心かもしれませんね。

ワクチンを接種するかどうかということは、飼い主さんとネコちゃんがどのような生活を送っているかで大きく異なります。ネコちゃんを完全に室内で飼育しているという場合には、最低限のワクチン接種で病気を予防することができますが、自由に外に出ることができるという環境で飼育している場合には、完全室内飼育のネコちゃんよりも、多くの病気や感染症を発症してしまうというリスクも存在しますので、様々な病気を予防するためにワクチン接種は欠かせないものになるかもしれません。

そのため、ワクチン接種をする際には、獣医さんにしっかりと相談し、ご自身のネコちゃんのライフスタイルに合わせて、最も効果的なワクチン接種計画をたてるようにすると更に安心でしょう。ワクチンは完全に安全性が保障されているわけではなく、副作用等が出てしまうこともあり、最悪の場合にはネコちゃんの命を奪ってしまうということもありますので、安全性などをしっかりと確かめてから、ワクチンを接種させるようにしてあげてくださいね。

また、ネコちゃんに、過剰にワクチンを接種させているという場合には、抗体ができにくい身体になっているということもありますし、高齢のネコちゃんの場合には、ワクチン接種が大きな負担を与えてしまうということもありますので、獣医さんにしっかりと相談してからワクチンを接種させるようにするなどの配慮もしてあげるようにしましょう。

猫にワクチンを接種させることにより、予防できる病気にはどのようなものがあるの?

ネコちゃんの病気には、様々なものがあり、その危険性や致死率なども大きく異なります。ワクチンで予防できる病気は、様々な病気がある中で、感染力が強くネコちゃんの生活の質を下げてしまうものばかりですので、飼い主さんは注意したほうが良いでしょう。

ネコちゃんがワクチンを接種することで予防できる病気は、猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症、猫汎白血球減少症、猫クラミジア感染症、猫白血病ウイルス感染症、猫エイズウイルス感染症の7種類です。この中でも、猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症、猫汎白血球減少症のワクチンは、完全室内飼育をしているという飼い主さんを含めて、全ての飼い主さんに接種をすることがおすすめされているワクチンになっています。

これらの病気について、「どのような症状があらわれるのかわからないし、原因についても知りたい…。」というようにお考えの飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか?そこで、ここではネコちゃんがワクチンを接種することで予防できる病気の原因や症状、治療法などについてお伝えさせていただきます。

猫ウイルス性鼻気管炎は、ヘルペスウイルス科に属する猫ヘルペスウイルス1型に感染してしまうことで発症する病気であり、ネコちゃんの身体に様々な症状があらわれることが多くなっています。この病気は全てのネコ科の動物に感染する病気であり、強い感染力を持っていますので、注意したほうが良いでしょう。

ネコちゃんがヘルペスウイルスに感染する原因としては、ウイルスに感染したネコちゃんに接触することや、ネコちゃん同士のグルーミング、食器や水の共有などが原因であると言われています。それに加えて、ネコちゃんの免疫力の低下がこの病気を引き起こすことが多くなっていますので、注意してあげるようにしてあげてくださいね。

猫ウイルス性鼻気管炎は、2日から10日の潜伏期間を経て、症状があらわれるようになるのですが、子猫や老猫などの免疫力が弱いネコちゃんの場合には、肺炎を併発してしまい、命を落としてしまうこともありますし、妊娠中のネコちゃんの場合には死産の危険性もありますので、早期発見、早期治療が必要になるのです。

猫ウイルス性鼻気管炎を発症した際には、原因となるウイルスが涼しい場所を好むため、外気に触れて比較的体温が低い目や鼻、口に症状が多くあらわれるようになります。代表的な症状は、くしゃみや咳、鼻水、口内炎、鼻の穴付近にヘルペス性の皮膚炎を生じるなどという症状に加えて、食欲不振や発熱、角膜炎や結膜炎、涙や目やにが増えるという症状があらわれるようになりますので、これらの症状があらわれましたら、症状が軽度のうちに動物病院に連れて行くようにしてくださいね。

猫ウイルス性鼻気管炎は、ウイルスを直接攻撃する薬が存在しませんので、あらわれた症状にあわせた治療法がとられることがほとんどです。二次感染を防ぐために抗生物質の投与などを行い、ネコちゃんの免疫力を高めるネコインターフェロンの投与などを行う治療と同時に、ご家庭でも栄養補給と温度管理に細心の注意を払うようにすると、猫ウイルス性鼻気管炎の治療に効果的です。猫ヘルペスウイルスの増殖を食い止める薬剤も存在しますが、副作用等が出ることもありますので、獣医さんとよく相談してから投与するかどうかを決定するようにしてください。

猫ウイルス性鼻気管炎はワクチン接種を行うようにすることで、発症や感染を防ぐことができます。それに加えて、飼い主さんがご自身のネコちゃん以外の猫に触れるような機会がある場合には、しっかりと手洗いなどをするようにし、ネコちゃんに清潔な状態で触れるようにすると更に予防に役立つでしょう。

猫カリシウイルス感染症は、ネコちゃんがネコカリシウイルスに感染することにより発症する感染症です。この病気の原因でもあるネコカリシウイルスは感染力が非常に強く、乾燥した環境下では、3週間から4週間もの間も生存するとも言われていますので、ウイルスが苦手な環境を作るなどの予防に努めると同時に、ネコちゃんの様子に注意し、早期発見、早期治療を心がけると良いでしょう。

猫カリシウイルス感染症の原因としては、ネコカリシウイルスを保菌しているネコちゃんとの接触があります。ネコちゃん同士の接触がなくても、飼い主さんが野良猫と触れ合った時などに菌をご自宅に持ち帰ってしまうということもありますので、外出した際などには特に注意してあげるようにしてください。ウイルスに感染したネコちゃんがくしゃみや咳などをした際に空気感染してしまうということもあり、更にこのウイルスは一度感染してしまいますと、80%〜90%ものネコちゃんが保菌状態になってしまうと言われていますので、健康状態をしっかりと管理し、免疫力を下げないようにすることも重要なことになります。

ネコちゃんが猫カリシウイルス感染症を発症した際には、口内炎や舌炎、鼻の潰瘍や鼻水、眼の周囲が赤くなる、爪周囲の潰瘍、高熱やくしゃみ、よだれがでる、食欲不振などといった症状があらわれるようになりますので、それらを見逃さないようにし、何かおかしな様子がみられるようでしたらすぐに動物病院に連れて行き、適切な検査を受けさせるようにすると、症状が軽度のうちに治療を開始することができると思いますよ。

猫カリシウイルス感染症に対する治療法は、ウイルスを直接死滅させるような治療法は存在しないため、あらわれた症状にあわせた対症療法をとることがほとんどです。猫カリシウイルス感染症による免疫力の低下が招く二次感染を防ぐための抗生物質の投与や、免疫力を高めるネコインターフェロンの投与とともに、飼い主さんがご自宅で栄養バランスの取れた食事を与えるようにする、温度や湿度の管理などをしっかりとしてウイルスが生息しにくい環境づくりをすると更に治療に役立つでしょう。

この猫カリシウイルス感染症についてはワクチンが存在するため、ワクチンを接種することで体内に抗体ができますので、発症しても症状が軽度で済むことが多くなりますし、感染していても発症しない様になるということもありますので、積極的なワクチン接種をおすすめします。

猫汎白血球減少症は、パルボウイルスの1種である猫汎白血球減少症ウイルスにネコちゃんが感染してしまうことで引き起こされる病気です。この病気が引き起こす猫汎白血球減少症は猫伝染性腸炎とも呼ばれ、致死率や感染力が非常に強い病気になっていますので、ワクチンなどによる予防が欠かせません。また、この猫汎白血球減少症はネコ科以外のイタチ科の動物や、アライグマ科の動物、一部のイヌ科の動物にも感染することが確認されています。

猫汎白血球減少症の原因は、猫汎白血球減少症ウイルスに感染しているネコちゃんとの直接的な接触や、糞や尿などの排泄物、吐瀉物などに接触してしまうことによるウイルス感染です。ペットショップや動物病院などの複数のネコちゃんが集まる場所で感染してしまうこともありますし、飼い主さんがそれらの場所に行った際に感染力を保持しているウイルスを家に持ち帰ってしまうということもありますので、注意するようにした方が良いかもしれません。

それに加えて、妊娠中のネコちゃんがこの猫汎白血球減少症ウイルスに感染している場合には、胎盤を経由し、胎児にも感染してしまうこともありますので、ワクチンなどをしっかりと接種させておくようにするのが安心ですよ。この猫汎白血球減少症ウイルスは、半年から1年以上もの間生存するとも言われており、道路や自然界に残っている排泄物から間接的にウイルス感染するということもありますので注意しましょう。

猫汎白血球減少症の症状は、心筋型のものと腸炎型のものに分けられ、どちらの場合にも2日から12日の潜伏期間を経て症状があらわれるようになります。この病気は免疫力の低い子猫の場合には重症化することが多く、命を落としてしまう危険性もありますので早期発見、早期治療を心がけるようにしてくださいね。代表的な症状は食欲不振や下痢、嘔吐などという食中毒に似た症状があらわれるようになりますが、その他にも様々な症状があらわれることが多くなっています。

猫汎白血球減少症が心筋型の症状を示す場合には、ウイルスが心筋細胞に寄生してしまいますので、心筋細胞の破壊が生じます。治療が遅れてしまいますと、心筋炎などを引き起こし、最悪の場合には心不全を発症し、命を落としてしまいますので注意しましょう。

猫汎白血球減少症が腸炎型の症状を示す場合には、ウイルスが腸管内に取り付き、腸陰窩細胞が破壊されてしまいますので、粘膜を正常に形成することができずに下痢やさらさらとした血便をするようになるという症状があらわれます。また、骨髄細胞がウイルスによって破壊されるため、白血球数が減ってしまい、腸内細菌の日和見細菌を引き起こし、敗血症により命を落としてしまうということもありますので、注意が必要になります。

猫汎白血球減少症に対する効果的な治療法は現在、存在していないため、ネコちゃんの免疫料を高めると同時に、下痢や嘔吐などで失われた水分などを補給したり、二次感染を防ぐための抗生物質の投与などの対症療法がとられることがほとんどです。この病気は、ワクチンを接種することで防ぐことができますし、ワクチンを接種していない他のネコちゃんとの接触を避け、完全に室内で飼育するようにすることで感染を防ぐことができますので、自由に外に出ることができるような環境で飼育している場合には、ワクチンを接種させ、完全室内飼育にするのも良いかもしれませんよ。

猫クラミジア感染症は、猫クラミジアという細菌の1種にネコちゃんが感染することにより、引き起こされる病気です。この病気は、ネコちゃんに人間に感染することもある病気ですので、注意が必要になります。

この猫クラミジア感染症を発症する原因としては、クラミジアに感染した猫との接触が原因であることがほとんどで、ネコちゃんを多頭飼育している場合には、一気に感染が広がってしまうということもあるのです。クラミジアは、口や鼻、目といった粘膜から感染しますので、グルーミングやエサを与える食器の共有なども、多頭飼育している場合には避けたほうが良いかもしれません。免疫力が弱い子猫の場合にはこの病気を発症してしまいますと、命を落としてしまうかもしれない危険性がありますので、予防に努めるようにすると共に、早期発見、早期治療を心がけるようにしてくださいね。この病気は、母子感染してしまうこともある病気ですので、母猫にはしっかりと猫クラミジア感染症の予防をしておくようにしておくと安心でしょう。

猫クラミジア感染症を発症してしまいますと、ネコちゃんの身体に様々な症状があらわれるようになります。代表的な症状としては、目やにを伴う結膜炎や、鼻水、くしゃみや咳などの風邪によく似た症状があらわれるようになり、症状が悪化するにつれて気管支炎や肺炎のような症状があらわれるようになり、子猫や老猫などの抵抗力や免疫力が弱いネコちゃんの場合には命を落としてしまうこともありますので、早期発見、早期治療を心がけるようにしてあげてくださいね。

猫クラミジア感染症をネコちゃんが発症してしまった場合には、重症化するとネコちゃんの生活の質を著しく下げてしまうこともありますので、なるべく早いうちに治療を開始するようにした方が良いでしょう。猫クラミジア感染症には、猫クラミジアに有効な抗生物質が存在しますので、点眼や点鼻での抗生物質の投与や、全身投与をするという治療法をとることがほとんどです。猫クラミジアをネコちゃんの体内から完全に駆除するためには、2週間から3週間の間にわたって抗生物質を継続的に投与する必要があり、クラミジアを完全に駆除せずに治療をやめてしまいますと、クラミジアが体内に潜伏してしまい、免疫力の低下に伴い、再び感染症を発症してしまうということもありますので、しっかりと治療を行い、体内からクラミジアを完全に駆除したことを確認してから治療を終えるようにしてくださいね。

猫クラミジア感染症が重症化してしまった場合には、輸液療法や点滴などで栄養補給を行なうということもありますので、重症化する前に動物病院に連れて行くようにしましょう。

猫クラミジア感染症はワクチンを接種させることで予防することができる病気ですので、完全室内飼育のネコちゃんにもしっかりとワクチンを接種させるようにすると万が一の際にも安心だと思いますよ。

猫白血病ウイルス感染症は、発症してしまいますと、ネコちゃんの身体に様々な症状を引き起こし、最悪の場合には命を落としてしまうということもある恐ろしい病気ですので、早期発見、早期治療を心がけるようにした方が良いでしょう。この病気は、レトロウイルスの一種である猫白血病ウイルスにネコちゃんが感染してしまうことが原因になり発症する病気で、感染しているネコちゃんの唾液や涙、血液、乳汁などに含まれており、ウイルスに感染しているネコちゃんとの接触やエサや水の共有などが原因になり感染することもありますし、母猫がこのウイルスに感染している場合には、子猫に猫白血病ウイルスが垂直感染してしまうこともありますので、ワクチンによる予防が欠かせません。

猫白血病ウイルス感染症を発症した際には、扁桃腺や咽頭リンパ節などでウイルスが増殖し、血液中の単球やリンパ球などにより全身に運ばれます。その後は、脾臓や消化管、小腸内のリンパ組織や、骨髄内でウイルスが増殖し、血液をウイルスが汚染するようになり、最終的には唾液腺や涙腺にウイルスが移動し、唾液や涙から外界にウイルスが放出されるようになるのです。ネコちゃんの免疫力が十分にある場合には、体内のリンパ組織にウイルスが侵入する前に排除されることがほとんどですが、免疫力が低下している場合や子猫や老猫などの抵抗力が弱いネコちゃんの場合には重症化してしまい、命を落としてしまう危険性がありますので、早期発見、早期治療を心がけるようにしてください。

猫白血病ウイルス感染症の症状は急性期と慢性期の症状に分けられ、それぞれ症状が異なりますので、早急に治療を行うために、療法について理解しておくようにすると安心かもしれません。急性期の症状としては、食欲不振、体重減少、貧血や下痢、発熱、脱水、鼻水や、口内炎、リンパ節の腫れという症状があらわれることがほとんどです。これらの症状は1週間から数ヶ月の間にわたって続き、その後は一旦、症状が治まりますが、ウイルスが体内に潜伏し続けることもありますので、症状があらわれた際にはすぐに動物病院に連れて行くようにしましょう。

慢性期の症状は、体内に潜伏しているウイルスが活動を再開することにより引き起こされます。悪性リンパ腫や、慢性口内炎、再生不良性貧血、白血球減少症などのネコちゃんの生活の質を著しく下げてしまうような症状があらわれますので、早急に動物病院に連れて行き、治療を行うようにするとネコちゃんの苦しんでしまうかもしれない時間を最小限に抑えてあげることができると思いますよ。

猫白血病ウイルス感染症の治療は、ウイルスに対して有効な治療法はありませんので、症状にあわせた対症療法をとることがほとんどです。急性期に貧血や下痢などの症状がひどい場合には輸血や輸液などを行い、症状の改善や体力の回復を図ります。白血球の数が減っている場合には、二次感染を防ぐために、抗生物質を投与することもありますし、ネコインターフェロンを投与し、ネコちゃんの免疫力を高め、自然治癒を目指すという治療法が急性期の治療法としては一般的です。

慢性期には、悪性リンパ腫や再生不良性貧血などの症状が出た際にそれらにあわせた治療法をとることがほとんどです。特に、悪性リンパ腫などの症状は治療を行わずにいると、1ヶ月から2ヶ月で命を落としてしまうことも多くなっていますので、抗ガン剤の投与や化学療法などをしっかりと行うようにしましょう。それに加えて、ネコちゃんの免疫力を高めるために、栄養バランスの取れた食事を与えるようにし、衛生的な飼育環境でストレスをあまり感じないように飼い主さんが配慮してあげるようにすることも治療の1つともいえます。

猫白血病ウイルス感染症は、ワクチンで予防することができる病気ですので、ワクチンをしっかりと接種させるようにし、猫白血病ウイルスに感染したネコちゃんとの接触を避けるようにすると予防に更に効果があると思いますよ。

猫エイズウイルス感染症は、ネコちゃんが猫免疫不全ウイルスに感染することにより発症してしまう病気です。猫免疫不全ウイルスに感染したからといってすぐに症状があらわれるわけではなく、急性期、無症状キャリア期、エイズ発症期という3つの時期を経て、症状があらわれるようになるのも特徴の1つと言えます。ウイルスに感染した猫とのケンカなどをしてしまった際に傷口から感染猫の唾液や血液が体内に入ってしまうことによりウイルスに感染してしまいますので、ワクチンを接種する、完全室内飼育にするなどをしてウイルスに感染しないような環境を作ってあげることが重要になるのです。

また、猫免疫不全ウイルスは、母猫から子猫への垂直感染もありえますので、注意してあげるようにしてくださいね。

猫免疫不全ウイルスに感染してから1ヶ月程度の時間が経ちますと急性期と言われる状態になります。この期間には、風邪のような症状や、下痢、リンパ節の腫れなどといった症状があらわれるようになりますが、症状はそこまで重症化することはなく一過性のものですので、飼い主さんでも気づかないうちに症状があらわれ、治まるということが多くなっていますので、注意しましょう。急性期を経た跡には無症状キャリア期という症状が全く現れない時期が訪れます。この時期は、通常ですと4年から5年続き、ネコちゃんの免疫力を徐々に奪っていくのです。

エイズ発症期には、歯肉や歯周組織の炎症や、細菌に感染してしまうことにより引き起こされる口内炎、口の中に潰瘍ができる、口臭やよだれの力が多くなるなどの口腔内に異常が生じるといった症状があらわれるようになります。その他に、体重の減少、嘔吐や下痢、風邪を引きやすくなる、ひいてしまった風邪がなかなか回復しなくなる、免疫力の低下が原因になり、ダニや真菌などの日和見感染症による皮膚炎や、食欲の低下、脱水などの症状があらわれることが多くなっているのです。それらに加えて、免疫力んも低下に伴い、肺炎や胸膜炎、悪性腫瘍など、様々な臓器に症状があらわれるようになりますので、注意してくださいね。

猫エイズウイルス感染症の治療は、猫免疫不全ウイルスに対する特効薬のようなものが存在しないため、あらわれた症状にあわせた対症療法をとることがほとんどです。歯肉炎や口内炎の治療や、下痢や貧血などの症状の緩和のために、輸血や輸液などを行なう、抗菌薬や抗真菌薬を投与したり、ネコインターフェロンを投与することにより免疫力の補助などが多くなっているのです。

猫エイズウイルス感染症は、完全室内飼育をし、猫免疫不全ウイルスに感染しているネコちゃんとの接触を避けるようにすることで防ぐことができる病気ですので、そちらについても気をつけるようにしてくださいね。

猫にワクチンを接種する際にはどのような副作用があらわれることがあるの?

ネコちゃんを様々な病気の危険性から守るためには、ワクチンが非常に大きな役割を果たしますので、ワクチンについての知識を飼い主さんがしっかりと持っておくようにすると安心してワクチンを接種させることができるでしょう。しかし、ワクチンと言っても、安全性が100%補償されているというわけではありませんので、ワクチンがネコちゃんにもたらす副作用などについての知識も持っておくようにしてくださいね。

ここでは、ネコちゃんがワクチンを接種した際にどのような副作用があらわれる可能性があるのかということについてお伝えさせていただきます。

ワクチンを接種した際にネコちゃんにあらわれる副作用は、元気がなくなる、食欲の低下などといったものがありますが、24時間以内にこれらの症状が治まるようでしたら問題はないと考えられています。

それ以外にも、副作用としてワクチンを注射した部分に腫れや肉芽種などの炎症が生じる、脱毛や虚血性病変などといった症状があらわれることもありますので、ネコちゃんの様子に何かおかしなことがありましたらすぐに動物病院に連れて行くようにしてくださいね。

ワクチンを接種した際に最も気をつけなければいけない副作用はアナフィラキシーショックになっています。ワクチン接種後10分から15分程度で、呼吸困難、嘔吐、痙攣、血圧の低下という症状があらわれるようになり、最悪の場合には命を落としてしまうということもありますので、ワクチンの接種後はしばらくの間、動物病院でネコちゃんのことを休ませるようにすると良いかもしれません。自宅に帰った跡にも、2日から3日の間は副作用が出てしまう可能性がありますので、できるだけネコちゃんを安静にさせ、ストレスを与えないようにしながらネコちゃんの体調には注意してあげるようにすると良いと思いますよ。

ワクチンの接種量や、接種方法の間違いなどが副作用を引き起こしてしまうこともありますが、事前にしっかりと確認してからワクチンを接種させることで防ぐことができますので、獣医さんにわからないことや不安なことをしっかりと相談してからワクチン接種に臨むようにしてくださいね。

ワクチンを接種することで猫にもたらされるメリットやデメリットにはどのようなものがあるの?

ワクチンを接種させることでネコちゃんの病気を防ぐことができるなどの様々なメリットが存在しますが、デメリットが全くないというわけではなく、副作用などのデメリットも存在しますので、それらについてもしっかりと理解した上でワクチンを接種させるようにした方が良いでしょう。そこで、ここではネコちゃんにワクチンを接種させることで得られるメリットやデメリットなどについてお伝えさせていただきます。

ネコちゃんにワクチンを接種させることで最も大きなメリットとしては、病気を予防することができるというものでしょう。また、病気を発症した際にも、抗体が存在しますので、あらわれる症状などが軽くなるというメリットも存在します。ワクチンで予防することができる病気には、ネコちゃんの生活の質を著しく下げてしまい、進行してしまうと命を落としてしまうかもしれない危険性がある病気が多くなっていますので、ワクチンを接種することはネコちゃんにとって大きなメリットがあるものになっているのです。

ネコちゃんにワクチンを接種することでもたらされるデメリットとしては、アナフィラキシーショックなどの命を落としてしまうかもしれない危険性があるということでしょう。副作用の危険性などはネコちゃんによって異なりますので、安全性を獣医さんとよく相談して確認し、「この獣医さんになら安心して任せられるな。」という獣医さんにワクチン接種をしてもらうようにすると安心かもしれませんよ。

このように、ワクチン接種には、メリットとデメリットの双方が存在しますので、「病気が予防できるからとりあえず接種をしよう。」というような考えではワクチンを接種するようにはせずに、双方についてしっかりと理解した上でワクチンを接種させるようにしてくださいね。

猫がワクチンを接種する時にどのようなことに気をつければ良いのかを教えて!

ネコちゃんにワクチンを接種させることで、様々な病気を予防することができますが、副作用などでネコちゃんの健康を脅かしてしまうということもありますので、ワクチン接種は慎重に行ったほうが良いでしょう。

それに加えて、ネコちゃんの健康状態や性格など、様々なことがワクチンの接種には影響してきますので、飼い主さんがしっかりとワクチンを接種する際にはどのようなことに気をつければ良いのかということを理解しておくようにすると、さらに安全にワクチンを接種させることができますよね。

そこで、ここではネコちゃんにワクチンを接種させる際に飼い主さんに気をつけていただきたいことについて、お伝えさせていただきます。

ワクチンを接種させる前には、来客や外出などのネコちゃんにとって強いストレスになってしまうことを避けるようにしてください。ワクチンを接種する日にネコちゃんの健康状態があまり良くないという場合には、無理に動物病院に連れて行くようにせずに日にちを変更するなどした方が良いでしょう。

ワクチンを接種する当日のネコちゃんの様子にも注意が必要になります。食欲の有無や、元気があるかどうか、下痢や便秘などをしていないか、排尿の回数や量はいつもと変わりないかということをしっかりと確認するようにし、普段と様子が違うなどの、おかしな点があるようでしたらワクチン接種を避けるようにすると安心かもしれません。

ワクチンの接種後には、興奮していることが多くなっていますし、急速な副作用などは10分から20分の間にあらわれることがありますので、30分程度は待合室などで待つようにし、副作用が出た際にもすぐに対応できるようにしてくださいね。自宅に帰った後にも、安静にさせておくようにし、2日から3日は興奮させることや遊び、シャンプーなどは控えるようにしてくださいね。

ワクチンを接種したからといって、すぐに免疫力がつくわけではなく、体内で定着するまで二週間程度の期間が必要になると言われていますので、ワクチンを接種していない他のネコちゃんとの接触は避けるようにしてくださいね。

猫の健康を守る上でワクチンは重要な役割を果たします!十分な知識を持って、ワクチン接種へ!

ネコちゃんの健康を守ることは飼い主さんにしかできないことであり、様々なサポートと同時にワクチン接種をさせることでさらに健康を守ってあげることができますので、メリットやデメリットを理解した上で、ご自身のネコちゃんにワクチンを接種させるかどうかを決定するようにしてくださいね。

ワクチンは完全に安全性が確認されているわけではなく、アナフィラキシーショックなどの重篤な副作用があらわれるということもありますので、それらについても獣医さんにしっかりと相談をし、不安なことや疑問点などを納得するまで話しあうようにしてからワクチンを接種させる様にすると、飼い主さんもネコちゃんも安心することができると思いますよ。

今回、お伝えさせていただきました情報が飼い主さんとネコちゃんの毎日をより楽しい物にするお手伝いになりますことを願っております。

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