ペットとの生活

気を付けたいペットのしぐさ「こんなしぐさは要注意」猫編

愛らしいしぐさに加え、マイペースで知られるネコちゃんの性格。

飼い主さんに甘えてくる時もあれば、1匹でくつろいでいる時はこちらに見向きもしないなど、自由な行動が魅力といわれています。

そんな可愛らしいネコちゃんですが、寝ている時間が多く、ワンちゃんのようにお散歩に行く習慣がありません。触れ合う時間が少ないため、何か病気を持っていても体調の変化を見落としやすいといわれています。ネコちゃんがケガをしたり病気になった時は、どのような行動が見られるのでしょうか。

こちらのページでは、気を付けたいネコちゃんのしぐさについてまとめてみました。飼い主さんがネコちゃんの健康に気を付けていても、時には体調を崩してしまうことがあります。
すぐに身体の変化に気付くことが大切ですので、情報収集にお役立てください。

耳を掻くなどのしぐさとケアについて

健康なネコちゃんの耳はとてもきれいです。耳や身体に異常があると「耳を頻繁に掻く」「壁に擦りつける」などのしぐさが頻繁にみられるようになりますので、耳はネコちゃんの身体の状態を知る大切なポイントになります。

耳垢は綿棒などで取り除くことができますが、耳の奥を掃除すると耳垢や汚れを押し込んでしまうことがあるので、専用の液体を流し込み、マッサージして取り除きます。ペットショップや動物病院によっては耳垢の掃除用品が売られていますので、使い方を聞いてみると良いですね。

ネコちゃんの耳の中に黒い耳垢のようなものが付着している時は、耳疥癬症や、真菌性外耳炎を疑います。耳垢がたまることで生じる慢性外耳炎を引き起こすことがあります。炎症や化膿によって、悪臭が生じます。

また、ノミやダニの寄生も考えられます。人間が外から持ち帰ってしまうことがあるため、家で飼っていても寄生しないとはいえません。痒みがひどくなると炎症や耳の掻き過ぎで脱毛を引き起こすことがあるので、お部屋の掃除をこまめにするなどして退治しましょう。

飼い主さんの中には市販されているノミやダニの寄生を予防する薬を使用している方がいますが、ネコちゃんの身体に合わないと皮膚炎を発症することがあります。使用する際は注意書きを十分に読み、異変が出た際はすぐに中止しましょう。

耳ダニ症でも黒い耳垢が大量に発生します。一般的には殺ダニ剤を使用しますが卵には効きづらいため、成虫になるまで投与し続けます。そのため、通院が長引くことがあります。

健康なネコちゃんの耳垢は乾燥していますが、炎症などが原因で耳ダレが分泌されると、耳垢が湿ってカビや細菌の原因となり悪化を招きます。炎症が慢性化すると完治するまでに2ヶ月程度かかることがあるようです。

耳の炎症は放置しておくと、深刻化していきます。高齢のネコちゃんの場合は特に悪性の腫瘍の原因にもなりますので、見つけたらすぐに診察し、完治するまで通院することをおすすめします。

目を掻くなどのしぐさとケアについて

目は飼い主さんにとってネコちゃんの異常に気付きやすい部位です。目のケガだけでなく、初期の風邪や様々な目の病気、体調不良などを見つけることができるので、注意深く観察しましょう。

健康なネコちゃんには、目ヤニが見られることはあまりありません。寝起きに付いていることはありますが、常に片側の目だけに目ヤニが出ている場合は角膜や結膜の異常を疑います。

飼い主さんが目ヤニに気付いた時は、まずはぬらした脱脂綿などで優しく拭いてあげましょう。左右どちらなのかをチェックし、目ヤニが出る頻度を確認します。

涙を流したり、目が開かないほどひどい場合はすぐに動物病院へ連れて行きます。また涙が見られる時は、感染症の可能性があります。目瞼炎では目の周りの毛が抜けたり発疹が出ることがあるので、そういった症状がないかも見ておくと良いですね。

明るい所で目を観察した時には、色もチェックするようにしましょう。目の色が普段と異なることで、病気を見つけることがあります。

下瞼の裏側や白目の部分が赤くなっていたり、周りが赤く腫れているのであれば、結膜炎や眼瞼炎、眼瞼内反症が疑われます。

黒眼が濁り、白眼が赤い時は角膜炎の可能性があります。眼の中心部分が白く濁る時は白内障、全体が白く濁る時は、角膜全体が炎症を起こしている可能性があります。

他にも白目が黄色くなることで、肝臓の病気などを発見することがあります。目の病気は視力の低下だけでなく失明に繋がることがありますので、早期治療が求められます。異常に気付けるように、目ヤニや目の色、開き具合を普段からチェックしておくと良いですね。

口にまつわる症状や病気について

ワンちゃんのように舌を出して体温調節をすることが少ないため、ネコちゃんの口の中はチェックが難しい部位の1つです。無理に開けようとすると、飼い主さんが噛まれるなどしてケガをしたり、ネコちゃんのストレスになるなど負担になります。そのため、エサを食べている姿や舐めるしぐさに気を付けて観察しておくと、異常に気付きやすくなるのでおすすめです。

普段エサを食べた後などに前脚で顔を洗うしぐさが見られますが、いつまでも痒そうにしていたり引っ掻く様なしぐさがあれば要注意です。それ以外にも口を壁や床にこすりつけたりする時も、痛みや痒みが生じていることがあります。

また、舌の色が以前と比べて白い色をしている場合は貧血や栄養不足、感染症や免疫疾患を疑います。異常に赤い色をしているのであれば舌炎の可能性があります。チアノーゼを引き起こした際は紫色になり、呼吸困難を伴いますのですぐに動物病院へ連れて行きましょう。

片方の歯だけでエサを食べていたり、よだれが垂れてしまう時は口内炎や歯周病の可能性があります。異物が引っ掛かっていたり、魚の骨などが刺さっていても同じようなしぐさを見せる時があるので注意しましょう。

ネコちゃんが甘えている時に飼い主さんの顔を舐めたりすることがありますが、口臭も体調の変化に気付きやすいポイントです。臭いが強い時は、口の中に炎症や化膿していることがあります。

痛みがひどくなるとエサだけでなく水を飲むことも困難になりますので、気を付けなければなりません。

口臭により、ウイルス性伝染病や腎炎、慢性胃炎、消化障害などの病気が見つかることもあります。食べたエサの匂いがかすかにする程度であれば問題ありませんので、見逃さないようにしましょう。

ネコちゃんは3歳以上になると、歯槽濃度や歯槽骨炎といった歯周炎にかかるリスクが上がるといわれています。歯の調子が悪いと食欲も低下し、元気がなくなります。免疫力が低下すると他の病気を発症させることに繋がりますので、日頃から歯のケアは大切にしたいですね。

飼い主さんによっては歯石を予防するおもちゃを使用している方がいますが、ネコちゃんが見向きもしないこともあるようです。子供の頃から歯を掃除する習慣をつけておくと、病気の予防になります。片手でネコちゃんの頭部を支え、上を向かせると口を開きやすくなります。指にガーゼを巻きつけ、歯茎をマッサージすることで歯の掃除ができます。大切な部位ですので、飼い主さんでもケアが難しい時は定期的に動物病院でチェックしてもらうことをおすすめします。

鼻にまつわるしぐさとケアについて

くしゃみなどの何気ないしぐさによって、病気を発見することがあります。ウイルス性の病気はくしゃみや鼻水を介して他のネコちゃんに感染することがあるので、2匹以上育てている時は隔離が必要になることがあります。

鼻水にはさらっとした透明の液体であったり、濁った粘液、膿が混ざった様な粘液などの種類があります。さらっとして透明な鼻水は、鼻炎の初期の状態であったり寒暖差が原因で生じます。

濁った粘液が出る時は、鼻炎がさらに進行していたり、他の炎症なども考えられます。膿が混ざった様な鼻水は、鼻炎だけでなく細菌やウイルスなどが考えられます。

また血液が出ている時は、鼻炎などの他にも、感染症や腫瘍、血液の病気など幅広い病気を疑います。鼻の穴に脱脂綿などを詰めると、粘膜を傷つける可能性があります。鼻先を優しく拭う程度に留め、動物病院に連れて行きましょう。

鼻水が出ている時は、くしゃみを伴うことが多いです。一過性のくしゃみであれば問題ありませんが、鼻水も止まらない際はカリシウイルス症やウイルス性鼻気管炎、真菌性のクリプトコッカス症などが考えられます。鼻水が膿のように粘り気を帯びている際は、細菌感染の可能性が高くなります。

立て続けにくしゃみが出る際は、アレルギー性鼻炎を疑います。鼻がふさがると口呼吸となり食欲が落ちるので、こまめに拭き取ってあげましょう。

くしゃみや鼻水が見られた際は、他にも症状が出ていないか確認することをおすすめします。熱が出たり、食欲が落ちている際は風邪を引き起こしていて、脱水症状になる可能性があります。
咳がいつまでも続くようであれば、気管支炎や肺炎、フィラリア症などの可能性があります。

ネコちゃんが子猫の時期や高齢の場合、悪化すると死んでしまうことがありますので、早めの診察をおすすめします。

呼吸にまつわるしぐさとケアについて

ネコちゃんの呼吸は他の動物と比べて静かです。呼吸の回数は1分間に20~30回程度で、一定の速度で胸とおなかが上下します。お部屋の温度が暑かったり運動をした直後でないにも関わらず、ネコちゃんの息があがっていたり苦しそうな様子があれば病気を隠し持っている可能性があります。

呼吸の乱れによって、呼吸器の病気や感染症、心臓病、腫瘍などの幅広い病気を見つけることがあります。またケガをしている時も呼吸の乱れが生じます。その際は飼い主さんとの接触を嫌がるかもしれません。

少し動いて呼吸困難になったり、うずくまる様子があれば、伝染性腹膜炎や膿胸、ネコカリシウイルス感染症、細菌性肺炎、心筋症などが疑われます。呼吸困難は酸欠状態を招き、大変危険な状態です。異常を見つけた際はすぐに動物病院へ連れて行きましょう。

食餌に関連するしぐさとケアについて

体調がすぐれない時、多くの動物は食欲の低下がみられます。ネコちゃんも病気やケガを負っている時は普段食べている量を残したり、食べないことがあります。食欲がないなと感じた際は、元気はあるか、熱がないか、下痢や便秘をしていないかなども合わせて確認しましょう。

元気がないようであれば、すぐに動物病院へ連れて行きます。子供のうちや、高齢のネコちゃんの場合は急変することがあるので、様子を見ることはおすすめできません。

食器の近くをうろつくなどして、食べようとするけれど食べられない様子があれば、口内炎などの痛みが原因である可能性があるので、そういった様子も獣医師に伝えます。

他には、エサの好みや環境の変化によって食べなくなることがあります。「過度な接触がなかったか」「騒々しくなかったか」などの生活環境を見直すことも大切です。

反対に成長期であったり季節によっては、食欲が増すこともあります。その際気をつけなければならないことは、「食べているのに痩せていく」「大量の水を飲む」といった症状です。そういった行動は、糖尿病や甲状腺機能亢進症のなどを患っている可能性があります。

慢性胃腸炎を患っている場合、食欲はあまり変化しませんが栄養を吸収できないため痩せていきます。寄生虫が腸内にいる可能性もありますので、食べ過ぎも注意が必要です。

嘔吐する際は、嘔吐物を確認します。ネコちゃんは毛づくろいをした後に、飲み込んだ毛玉を吐くことがあるので元気な様子があれば問題ありません。

嘔吐を何度も繰り返したり、元気がない時はすぐに動物病院へ連れて行きます。胃腸障害や寄生虫、糖尿病、尿毒症など、様々な病気が考えられます。

診察の際は「いつ」「どの程度の間隔で」「何回」嘔吐したのかを獣医師に伝えることが大切です。普段のエサや、可能であれば嘔吐物を持参しましょう。写真などに撮ると量や色が分かりやすくなるのでおすすめします。

毛・皮膚にまつわるしぐさとケアについて

健康なネコちゃんは舐めるなどして、きれいな毛並みを保ちます。しかし体調が崩れると毛がぱさついたり、痒がるなどの症状が出ることがありますので、毛並みも健康をチェックするポイントになります。

同じ部位を何度も掻いたり、舐めたりするのであれば、痛みや痒みが生じていることが多いです。湿疹や傷などがないか、毛が抜けていないかを確認します。また感染症や内臓疾患によって痒みが発生することもあります。

特定のエサをあげた後に痒がるのであれば、食べ物アレルギーを疑います。口や目の周りが赤くなることもあるので、そのような症状もチェックしましょう。

脱毛する際は、寄生虫などの原因の他に、精神的に不安定な状態が続いたり、過度なストレスが考えられます。ネコちゃんの毛づくろいは毛並みを整えるだけでなく、心を落ち着かせる効果があるといわれています。普段の生活環境がどうであったか、見直すことも大切ですね。

身体を触った時にしこりがある時は、腫瘍などが疑われます。特に乳首の周囲などは乳腺がんの可能性があるので、身体を触るなどのスキンシップをはかりましょう。普段から触っておくと、ネコちゃんも慣れてきます。飼い主さんも異常に気付きやすくなりますので、毎日行うことをおすすめします。

脚におけるしぐさとケアについて

ネコちゃんが片脚を引きずるなどして歩く時は、脱臼や骨折、靱帯の損傷などのケガを疑います。家で飼っていても、高い所からの落下や着地の失敗によってそのようなケガをすることがあります。脱臼等は放っておくと癖になったり、かばっている間に他の部位を損傷する可能性があるのですぐに動物病院で手当てをすることをおすすめします。

歩き方がおぼつかない時や、ふらつきが見られる際は、脳や神経の病気を疑います。子供の場合は、先天性の脳障害の可能性があります。身体が衰弱していることもあるのですぐに診察しましょう。

腰をかばうように、ぎくしゃくして歩く時は腰や股関節に障害をもっている可能性があります。前脚だけで這うように歩く時は、脊髄の損傷や椎間板ヘルニアなどを患わっているかもしれません。

特に肥満傾向にあるネコちゃんは、脚への負担が大きくなります。ネコちゃんの体重の管理は、健康を維持するためにも大切なポイントです。エサの見直しを行ったり、家具の配置を変えるなどして、運動量を増やせるように工夫することをおすすめします。

ネコちゃんの運動には、広い場所よりも登ったり下りたりといった、高さを作ると喜びます。他にも、もぐって探検できるように家具を移動したり、ジャンプしないと届かない位置にまたたびの粉を振ったおもちゃを吊るすと飽きずに遊ぶネコちゃんもいます。ボール遊びが好きであったり、性格によって気に入るおもちゃが異なりますので、いくつか試してみるといいですね。

排泄物と排泄にまつわるしぐさについて

ネコちゃんは腎臓や尿路の病気にかかりやすいといわれています。特に尿道の先が細いオスの方がメスに比べると発症率が高いです。排尿できないと2日前後で亡くなるといわれているので、早期発見が重要です。

トイレに頻繁に行くのに排尿した形跡がなかったり、トイレにいる時間が普段以上に長い時は注意しましょう。性器をしきりに舐めるしぐさや、嘔吐や下痢などの他の症状がないかも確認します。

苦しそうな声で排泄している時は、尿路結石や膀胱炎を疑います。キャットフードなどに含まれるミネラル分が膀胱内で固まり、尿道から膀胱へと逆流することがありますので、エサの見直しも大切なポイントです。ミネラル分が少ない、下部尿路症候群の予防用に開発されたフードも市販されているので、獣医師に相談すると良いでしょう。

尿の色も健康をチェックする上で大切なポイントになります。健康の時の尿はうすい黄色をしていますが、無色透明であったり、色が濃かったり、臭いが異なるなどの変化は注意が必要です。

特に色が濃い場合は血尿の可能性があります。腎炎や膀胱炎、尿道炎など様々な原因が考えられるので、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。可能であればトイレに行った数などを数えておくと、診断の際に役立ちます。

無色透明である場合は、糖尿病や慢性腎炎などの病気が考えられます。水を大量に飲んでいないか確認が必要です。

またネコちゃんは便秘にも気をつけなければなりません。特に高齢のメスは便秘になりやすいといわれています。2日以上排便がなければ、食物繊維の豊富なエサを混ぜるなどの対応が必要です。

症状が改善されない時は、早めに獣医師に相談しましょう。

便秘の原因はストレスや偏った食生活、胃腸の中で毛づくろいした毛が固まっているなどが考えられます。硬くて黒い便や、血液が混ざった粘液質の便が出た時は病気の可能性があります。

便がゆるかったり、下痢の症状が出た際は、色などを確認しましょう。赤い色をしている時は、大腸の異常が考えられます。白くて水っぽい時は小腸の異常、どす黒い時はウイルス性の感染症や腸の粘膜が傷ついていることも考えられます。

排泄物は健康をチェックする上で手掛かりになるので、動物病院へ連れて行く際は病気を確定するためにも、便を持参することをおすすめします。異常に早く気付けるように、普段から健康な状態を覚えておくことが大切ですね。

以上のように、普段の生活の中でも病気を見つけやすいポイントがあります。異常を発見してから動物病院へ連れて行く飼い主さんが多いので、定期的に健康診断を受けると健康管理に役立ちおすすめです。飼い主さんの「いつもと違うな」という感覚がとても大切になりますので、触れ合う際は身体のチェックも忘れないようにしましょう。

お問い合わせはこちら【通話無料】募集代理店:アイ・エフ・クリエイト0120-616-400【受付時間】9:30~18:00(年末年始、日曜、祝日は除く)

この記事を書いた人

ペットのいろは編集者 皆様が安心してペットたちと過ごせるよう、有益な情報を発信してまいります。