病気・ケガ

犬や猫のクッシング症候群について

毎日を共にする大切なパートナーであるワンちゃんやネコちゃんの健康を守るのは飼い主さんが気をつけなければならないことです。

ワンちゃんやネコちゃんの病気についての知識や症状を把握するようにしておくと、些細な変化などから「この病気かもしれないな」と推測することができますので、健康を守る上で必ず役にたつことでしょう。

人間のように言葉が話せないワンちゃんやネコちゃんの異常に気づくためには、飼い主さんが毎日の生活の中から注意する必要があるのです。

今回はワンちゃんやネコちゃんが副腎皮質ホルモンを過剰分泌してしまうことで引き起こされるクッシング症候群という病気の症状や原因、どのように治療するのかということについてお伝えさせていただきます。

クッシング症候群とはどのような病気なの?

ワンちゃんやネコちゃんのクッシング症候群は老齢になるにつれて発症する確率が高くなる病気ですので、7歳以上の高齢のワンちゃんやネコちゃんの飼い主さんは特に気をつけたほうが良いのです。

クッシング症候群は、副腎皮質ホルモンが過剰分泌されることで引き起こされる病気であり、副腎皮質機能亢進症とも呼ばれます。

腎臓の上にある副腎で生成されるホルモンである副腎皮質ホルモンは、炎症の制御や、炭水化物の代謝、免疫反応などのワンちゃんやネコちゃんが生きていく上で必要となる様々な役割を司る大切なホルモンです。

この、副腎皮質ホルモンが過剰分泌されると、皮膚や筋肉の分解が促進され、肝臓でのグルコース生成が促進されるため、高血糖状態になってしまいます。

高血糖を引き起こされたワンちゃんやネコちゃんの体内では、インスリンと呼ばれているホルモンが分泌されるのですが、このインスリンがグルコースを細胞内に取り込んでしまい、脂肪がつきやすくなってしまうのです。

この、クッシング症候群は発症してしまうと、様々な症状を引き起こし、ワンちゃんやネコちゃんが突然、命を落としてしまうかもしれないという恐ろしい病気ですので注意が必要になります。普段の生活の中から、ワンちゃんやネコちゃんの異変を見逃さないようにしてくださいね。

クッシング症候群が引き起こされる原因はなに?

クッシング症候群は副腎皮質ホルモンの過剰分泌が原因となり引き起こされる病気なのですが、「副腎皮質ホルモンが過剰分泌される原因は何?」という疑問をお持ちになられる飼い主さんもいらっしゃることだと思います。

副腎皮質ホルモンが過剰分泌されてしまう原因は大きく分けて、下垂体性クッシング、副腎腫瘍性クッシング、医原性クッシングの3つに分けられます。

下垂体性クッシングは、下垂体異常や脳下垂体に腫瘍ができてしまうことで、副腎皮質を刺激するホルモンが大量に生成されてしまうことにより、副腎皮質ホルモンが大量に作られ、症状を引き起こしてしまいます。

クッシング症候群が発症する際の原因として最も多いものはこれであり、全体の80%以上とも言われているのです。

副腎に腫瘍ができてしまうことが原因となり、症状が引き起こされる副腎腫瘍性クッシングは、クッシング症候群の中では、全体の20%と言われており、珍しいケースかもしれません。

医原性クッシングは、腫瘍やアレルギー、自己免疫性疾患、炎症などの治療をする際に用いられるグルココルチコイドが原因となり引き起こされることが多いようです。

グルココルチコイドは副腎皮質ホルモンと同じような働きをするのですが、このグルココルチコイドを長期間摂取することで、クッシング症候群のような症状が現れるのです。

また、ワンちゃんやネコちゃんが高齢になるにつれて、このクッション症候群を発症してしまう確率は上昇しますので、一年に一度は健康診断を行なうようにしておくと良いでしょう。

犬や猫がクッシング症候群を発症してしまった際に見られる症状は?

ワンちゃんやネコちゃんがクッシング症候群を発症してしまった際に、飼い主さんが症状についての知識を持っていれば症状が悪化してしまう前に治療をすることができるかもしれません。

クッシング症候群はワンちゃんやネコちゃんが突然命を落としてしまうかもしれない病気ですので、飼い主さんが毎日の生活の中から変化や異変に気づくことが重要です。

ここでは、ワンちゃんやネコちゃんがクッシング症候群を発症してしまった際に見られる症状についてお伝えさせていただきます。

クッシング症候群を発症した際に見られる症状で、飼い主さんが最初に気づくものは水をたくさん飲むようになり、エサを食べる回数が増えるというものです。

それに伴い、尿や便などを排泄する回数などが増えるのです。

他の病気のように、ワンちゃんやネコちゃんの食欲がなくなるということはありませんので、飼い主さんが「病気ではないだろう」と見過ごしてしまうことも多くなっていますので、注意してくださいね。

クッシング症候群を発症した際には、左右対称の脱毛がよく見られます。頭と尻尾以外の毛が薄くなってしまったり、抜け落ちてしまうため、外見上の異変で最も気づきやすいものと言っても良いでしょう。

クッシング症候群が発症してしまった際には、免疫力が低下してしまうため、慢性の皮膚炎を起こすことも多くなっています。

クッシング症候群の症状として皮膚の痒みが出るということはないのですが、真菌やアレルギー、細菌感染することで痒みが出ることがほとんどのようです。

また、外見上の異変でもう1つわかりやすいものは、筋肉が萎縮してしまい、痩せているのにお腹だけはポッコリと出ているというものです。

脱毛と同時に肝機能が低下してしまうことにより、筋肉の分解が進み、脂肪が増え、肝臓の腫瘍が大きくなることで、人間でいうビール腹のような外見になります。

やせ細っているのに、お腹だけは出ているという場合には、クッシング症候群の可能性が高くなりますので、早めに動物病院で検査をしてもらい、適切な治療を施すようにするのが良いでしょう。

このように、クッシング症候群の症状は、一見重大な病気ではなさそうな症状かもしれませんが、症状が併発することもありますので、ワンちゃんやネコちゃんの身体の様々な点に注意して上げるようにしてくださいね。

犬や猫のクッシング症候群を治療するときの方法は?

ワンちゃんやネコちゃんがクッシング症候群を発症してしまった際に、どのような治療法を行なうのかということについて「詳しく知りたい」とお考えの飼い主さんも多いのではないかと思います。

下垂体性クッシングの場合には、下垂体が脳に近接しているため、外科的手法での腫瘍の切除を行うことは困難であるため、投薬での治療を行うことがほとんどです。

この投薬治療は、投薬をやめてしまうと症状が再び進行してしまいますので、一生涯に渡って投薬をする必要があるのです。

腫瘍が切除できる場所にある場合には、外科的手法や放射線療法を用いて腫瘍を取り除くこともあります。

その他にも、医原性クッシングが原因となり、クッシング症候群を発症している場合には、原因となっている薬であるグルココルチコイドの投薬を中止すると回復することもあるようです。

このようにクッシング症候群の治療法は、原因となっているものを取り除くということが主な治療法であり、きちんと治療をすれば突然命を落としてしまうかもしれない可能性を減らすことができるかもしれませんので、早めにきちんと治療を行うようにしてくださいね。

クッシング症候群に素早く気づいて適切な治療をするようにしましょう!

クッシング症候群はワンちゃんやネコちゃんの命を突然奪ってしまうかもしれない病気であり、飼い主さんが日々の生活の中から注意してあげる必要があります。

クッシング症候群は予防することができない病気ですので、発症してしまった後に、いかに素早く適切な治療をするかということが重要な事なのです。

今回、お伝えさせていただいた情報が、飼い主さんのワンちゃんやネコちゃんのクッシング症候群の発見や治療に役立つことを願っております。

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